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May 1st, 2023 00:00

ここがすごい!VxRailの新機能

はじめに ここで書かれた情報は、2023/04/27 Heroes Forum で発表された『ここがすごい!VxRailの新機能』 の内容を文書化したものです。こちらのサイトに書かれた情報は古くなっている可能性もありますので、適宜メーカーサイトから最新情報を取得してください。なお、Heroes Forum の VxRail セッションで動画による説明された箇所については省略します。

 

おさらい 今まで『サーバー』『スイッチ』『ストレージ』で構成されていた 3Tier の仮想環境ですが、 HCI(Hyper Converged Infrastructure) とは、それらの機器をソフトウェアで定義してひとつにまとめたものです。Dell VxRail はデル・テクノロジーズが提供する HCI 製品のうちのひとつですが、 業界唯一のVMware 社と共同開発したアプライアンスとなります。VxRail は、デザインや互換性はすでに考慮されており、リリースまでに延べ数十万時間に及ぶ過酷なテストをクリアしていますので安心してお使いいただけます。

VxRail には、特にお薦めの4つの『しあわせ』があるので、紹介します。

V1.png しあわせその1(速くて簡単な導入・拡張)l 3Tier の仮想化環境は、発注してから設計、構築を経てお客様に引き渡すまで早くても3ヶ月、一般的に6ヶ月ほどかかります。VxRailの場合はエンジンをかけすぐに走り出す車のようにターンキーソリューションとして、プロジェクト開始から非常に短期間でサービス開始が可能です。ほぼ決められた構成であり、機器やソフトウェアの互換性はメーカーにて確認されており、接続 試験もすでにメーカーが数十万時間かけて行っておりますので、あえて実施する必要はございません。 その分作業期間が短縮され、構築もわずか5ステップで簡単に完了させることができます。

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構築は、まずVxRailを開梱しケーブル類を接続後電源を入れます。電源が入ったらコンソールからウィザードを動かし、指示に従い少しのパラメーターを入力すれば約60分後には完成します。ノード拡張も同様に簡単に行うことができます。

 

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しあわせその2(ワンクリックアップデート作業)|仮想環境を使ってシステムのバージョンを塩漬けしたいと考えるお客様がいらっしゃいます。インターネットに公開しているサービスではないから大丈夫と思っているかもしれませんが、ランサムウェアの被害に遭いやすい非常に危険な環境になりますので、都度アップデートを実施頂くことを推奨しております。 VxRailのアップデートは簡単で、vCenterのメニューからアップデートを選択し、プリチェック のあとアップデートを実行するだけです。安全なローリングアップデートをVxRailが自動的に行います。 なお、ご契約した保守のグレードによってはデル・テクノロジーズがお客様に代わりアップデートを行うことも可能です。

 

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しあわせその3(ラクすぎるシステム更改)|VxRail ならシステムマイグレーションも簡単です。いわゆる、システム更改です。 まず、既存のVxRailクラスターに新規のVxRailノードをネットワーク接続するとVxRailマネージャで新規ノードを自動検知します。その後既存ノードのゲストを他ノードへ移動させ、既存ノードをリムーブします。これを繰り返し行うことで最終的にクラスター内のすべての既存ノードが新規VxRailに置き換わります。 ゲストOSも動かしたままシステム移行が完了しますので、利用者に迷惑をかけることもありません。移行コストやタイムロスもありません。

 

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 しあわせその4(ハイレベルサポート)|私のイチオシ、ハイレベルサポート! デル・テクノロジーズ以外のHCI保守窓口では、内部で担当者が別れていることが多く、情報連携に手間取り、コミュニケーションミスから時間がかかってしまったり、同じことを何度も説明等々、そりゃまあ、イライラすることも多々ありますよね。ですが、デル・テクノロジーズのVxRailの保守ならお問い合わせ窓口の一本化はもちろんのこと、何よりもVMware社との協業によりスキルフルなサポートエンジニアを24/365配置されており、すべて日本語対応にて問題解決まで導きます。デル・テクノロジーズのVxRail保守エンジニアは非常に優秀で、VMwareにエスカレーションするパスもありますが、ほとんどの問題をデル・テクノロジーズ内部だけで解決しています。

 

VxRail 8.0の新機能ここからは最新のVxRailである8.0を少しご紹介します。昨年のVMware Exploreで紹介されたvSphere 8.0をベースにVxRail 8.0は作られています。ここではふたつの大きな新機能を紹介します。

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ひとつは、ESA(Express Storage Architecture) です。こちらは E660NとP670Nの二機種だけ対応していますが、どちらもAll NVMe モデルです。ESAは今までディスクグループで必要だったキャッシュの機能を取り除きキャパシティだけで構成されます。その分、効率よくデータの保存をしてくれるのは当然のことながら、パフォーマンスも向上しています。ウワサではRAID5のデータ効率性でRAID1のパフォーマンスが出るそうです。疑っている方は是非パフォーマンス検証をしてみてください。もちろんVxRailで! VxRail としてのESAアップデートとしては、今までESAでVxRailを採用しようと思った場合 RPQ(Request Proposal Quorification) が必要でしたが、不要になりました。これでVxRailでもESAを採用しやすくなったと思います。

ただし、既存環境ですでに OSA(Original Storage Architecture)、いわゆる今までのディスクグループ構成でお使いのお客様が途中でESAに変更することはできません。ESA を使いたいお客様は新規クラスター作成時に ESAを選択いただくことになります。その他にも諸注意がありますので、まずはご相談ください。

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 さて、ふたつめのアップデートはDSE(Distributed Service Engine)になります。これは、DPUを使う構成です。DPUはPCIeにブスッと刺すだけではなく、他にもいろんなケーブル類を接続しないといけないので、VxRailでは初期構築時でしか導入いただけません。ですが、DPUを使ってNSXの一部の機能をDPUにオフロードした場合、CPUの負荷が下がり効率的に仮想環境を使えるという結果もすでに出ています。今後はセキュリティの機能をDPUにオフロードすることで、悪意のある侵入者を水際で食い止めることができるようになるかもしれません。

なお、DPUはARM上でESXiが動いていますが、ここにvSphereのライセンスはかかりません。 とはいえ、簡単に採用できるとはお世辞にも言い難く、例えば現時点では DPU の冗長化構成が取れないためDPUの障害でノードダウンを引き起こす可能性があります。それ以外にも細かい制限事項がありますので DPU の採用をご検討されているお客様は早めにご相談ください。

 

vSphere8.0ベースのアップデート以外にもVxRail独自のアップデートがふたつあります。

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VxRailを強く推奨したいと思ったふたつのアップデートのうちひとつはDynamic AppsONですが、そのお話をする前に、VxRail のDynamic Nodeはご存知でしょうか?これは、VxRailに外付けストレージをくっつける構成ですが、『それだとHCIの魅力半減だし、3Tireと同じ』とおっしゃるお客様が多くいらっしゃいました。これはこれでメリットがあり、コン ピュートノードとストレージノードが別々に拡張できるので、コストメリットが出やすいのですが、だったら、安い3Tire構成にします、とおっしゃいます。まぁ、そりゃそうですよね。VxRailから外付けストレージのコントロールができないんですもん。ですが、今回のアップデートでVxRailからPowerStore Tモデルの管理もできるようになりました!それがDynamic AppsONです。いままでのVxRailにあったLCMの範囲が拡張され、外付けストレージであるPowerStoreも対象となり vCenterからPowerStoreのアップデートを実行することができます。

 

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今回アップデートされたふたつめの推しポイントはVD-4000というエッジ向けの製品です。

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  VD-4000zと呼ばるモデルは、クツ箱サイズ(A3 よりも一回りくらい大きいくらい)の小さな筐体にノードをふたつと2ノードvSAN用のwitnessサーバーひとつを詰め込んだ自己完結型HCIです。机の上に置いて2台重ねて置いたり、専用のレールで壁に取り付けたり、VESA規格のマウンターにラックしたりすることもできます。

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ラックに搭載できるVD-4000rというモデルもあり、こちらは 2U の高さに最大4ノードとwitness 1台を収めることができます。VD-4000 は Laggedと呼ばれる過酷な環境でも耐えられるもので、粉塵の多い工場や空調整備のない倉庫などでも問題なく動作します。

自己完結型HCIと呼ばれる所以として、witnessノードがコンピュートノードと同じシャーシ内に収まっており、まさに VD-4000これ1つで仮想環境が成立します。witnessノードが内部に組み込まれることにより、いままで外部に置いていた時のようなネットワーク帯域も必要なくなります。そして、このwitnessサーバーはVxRailのLCMの範囲となっており、ワンクリックアップデートの対象となっていますので運用管理も楽に行えます。
いくつか注意事項もあります。小さな筐体に複数ノードを詰め込んでいることもあり、一般のサーバーのように2.5 インチのドライブが積んでいる訳ではなくノードの上蓋を開けるとローカルストレージとして M.2のNVMeメモリがスロットに刺さっています。障害が発生した場合は上蓋を開けることになるためオンラインでの交換ができず、ノードを停止していただき対応することになります。そもそもNVMe SSDは壊れにくいので大きな問題ではないかもしれませんが、導入検討の際には認定パートナー様もしくはデル・ テクノロジーズにお声がけください。

 

さいごに、いろいろお伝えしてまいりましたが、今回は「Dynamic AppsON」と「VD-4000」だけでも必ず覚えてください。

2023/05/01 Mako Nakamura

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