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2021年5月19日 22:00

PowerEdgeのトレーニングを受けて知ったことやOpenMange、SupportAssistに関する理解

最近PowerEdgeの新人向けトレーニング(New Hire Training)の一部に参加する機会があったので、そこで理解したことをここにまとめておきます。
(何か間違えている点などがありましたらコメント頂けると助かります)

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2021年5月19日 22:00

BIOSの後継(進化版)がUEFIである!
なんか2T以上のボリュームをBIOSだと扱えないとかは知っていましたが、UEFIはBIOSの進化版でありBIOSに置き換わろうとしているという認識はあまりしていませんでした。
BIOSもUEFIもどちらもサーバーやPCのマザーボード用OSのようなイメージですが、UEFIはBIOSと比べると小さいLinuxのようなレベルまできていて、そこそこ綺麗なGUIやマウスでの処理にも対応しているらしい。

 

サーバーとPCの大きな違いの一つはBMCの有無である!
BMCはBaseboard Management Controllerの略で、サーバーOSなどとは独立して電源がOffの時も動作しているものである。
PowerEdgeなどのサーバーにはこのBMCチップが搭載されており、このBMCによりさまざまなハードウェアの監視や遠隔でのサーバー電源On/Offなどを実行することが出来る。
また、このBMCの操作を行うためのインタフェース規格がIPMIであり、PowerEdgeではiDRACがこのIPMIを利用してBMCの管理・操作を行っている。
(PCは基本的にBMCチップは搭載していない。)



bmc-ipmi.png

 

OpenManageとはPowerEdgeを中心としたDell製品の管理を行う製品群の名称である!
そのためにOpenManageを名前がついた多くの製品があるが、ここではOMSA(OpenManage Server Administrator)、OME(OpenManage Enterprise)の二つを主に取り上げる。

 

SupportAssistとは基本的にログ(収集)を意味している!
SupportAssistサーバがDell社内にあるが、これはお客様が送信してくるログ情報を受け取るものである。
SupportAssist Enterpriseというソフトウェアがあるが、これはDell製品が作成するSupportAssistログを、Dell社内にあるSupportAssistサーバへと送付するたの機能を提供するものである。

 

OpenManage EnterpriseはSupportAssist Enterpriseを内包する!
実はOMEは2020/10にreleaseされたOME3.5よりSAEの機能を取り込んでいるので、SAEが実施できることは基本的に実施可能である。つまり、PowerEdgeやDellのNetwork Switch、StorageなどのログをDell社のSupportAssistサーバに送信することが出来る。

 

OpenManage Enterprise(OME)は仮想アプライアンスがあるが、Support AssistEnterprise(SAE)はWindowsもしくはLinuxにソフトウェアとしてインストールする必要がある!
なのでOMEの方が導入へのハードルが低いとも言える。ではなぜSupportAssist Enterpriseが必要とされるのか?一例としては、自社環境のサーバー等の管理をOMEではない別のソフトウェアで行っているお客様が、Dell製品からのログ自動送信機能のみを必要としているような場合がある。

 

SupportAssist Enterprise、もしくはOpenMange Enterprise(の中のSAE機能)を利用するとログの自動送信のみならず、問題発生時にサービスリクエストの自動生成も行うことが出来る!
ただ、サービスリクエストが自動生成されるかどうかはお客様の契約レベルによる。例えばBASICサポート契約ではログの送信は行われるが、サービスリクエストの自動生成は行われない。

 

SupportAssistのログを自動送信する方法はSupportAssist Enterprise、OpenManage Enterprise(の中のSAE機能)を使う以外にiDRACから直接送信する方法の合計3つがある!
ただし、iDRACから直接ログ送信できるようになったのはPowerEdgeの14世代以降。

 

Lifecycle Controller(LCC)はDell版のUEFIである!
LCCは(BIOSの進化版と言える)UEFIを活用したDell独自の仕様(ソフトウェア)なので、PowerEdgeのハードウェア管理などに加えファームウェアアップグレードやサーバ上のOSのインストールなんかも出来てしまう。

【余談】
EMCのCLARIXなどを知っている世代だと、LCCと聞くと「あぁ、あのエンクロージャー内のディスクドライブをつなげてるやつね」と思ってしまいますが、PowerEdgeの世界だとLifeCycle Controllerのことを意味します。

 

Lifecycle ControllerとiDRACの関係は?
基本はLifecycle ControllerからiDRACが情報を得て、その情報をiDRACのインタフェース(GUI等)でユーザに見せるという関係にある。

ではiDRACはLifecycle Controllerが行った仕事の成果をまるで自分が行った仕事のようなふりをしてユーザに見せているということか?
そうとも言えなくもないが、ユーザからみれば情報を一元的に見ることができることに対するメリットは大きい。ただ、Lifecycle ControllerもすべてiDRACに取り込まれてしまっているわけではなく、サーバー上へのOSのインストール(OS Deployment)やPlatform Restoreの機能などはLyfecycle Controllerからしか実施できない。

 

iSM(iDRAC Service Module)によってiDRACはサーバーOSレイヤの情報を得ることが出来る!
iDRACはレイヤ的にサーバーOSよりハードウェア寄りの低いレイヤに属しているためにサーバーOSレイヤの情報をそのままでは取得することが出来ないが、iSMをサーバーOSにインストールすることによって、サーバーOSレイヤの情報を得ることが出来るようになる。具体的にはiDRACからSupportAssistログを作成した場合にサーバーOSのsyslog系の情報もログの中に含めることが出来るようになったりする。
また、逆も真なりで、iSMがあるとサーバーOSレイヤからiDRACレイヤの情報を得ることも可能。つまりiSMを介してサーバーOSとiDRAC間での情報のやり取りが可能となる。

 

OpenManage Sserver Administration(OMSA)は自分がインストールされているサーバーの情報しか扱うことが出来ない!
OMSAはサーバーOS上にインストールされているために、OSレベルの情報を取得することが可能な上、PowerEdgeサーバのハードウェア情報なども取得・管理することが可能な便利なソフトウェアであるが、自分自身がインストールされているサーバー1台のみを処理対象としている。

 

OpenManage Enterprise(OME)は環境内の複数のエンティティ(PowerEdge、Network Switch、Storage等)を管理することが可能!
これがOMSAとの大きな違いである。OMEは各エンティティと情報のやり取りを行う(もちろん初期設定(ディスカバリー)は必要)のであるが、管理・監視対象がPowerEdgeの場合は2通りの管理・監視方法がある。一つはOMSAとの情報のやりとりによるもの(もちろんPowerEdgeサーバーのOSにOMSAがインストールされている必要あり)、もう一つはiDRACとの情報のやりとりによるものである。

 

OpenMange Enterprise(OME)が同じPowerEdgeサーバーのOMSAとiDRACを検出した場合、OMSAが優先されて登録される(当該サーバーのiDRACはOMEに登録されない)!
OMEはIPアドレスでPowerEdgeを検出(ディスカバリー)していくが、PowerEdgeサーバーの認識はIPアドレスで行っているわけではなく、各サーバーが持っているタグ情報で行っている。そのためにOMSAとiDRACの(異なるIPアドレスを持つ)両方で同じサーバーを検出した場合にはOMSAの情報を優先してOME上に登録するという動きをする。

 

最近はサーバーOSが仮想マシンの上で動いている場合が多いので、OMEはOMSAではなくiDRACによるPowerEdgeサーバー登録を行うことが多い!
仮想マシンの上で動いているサーバーOS(Windows等)にOMSAをインストールした場合、OMSAが取得してくるハードウェア情報はPowerEdgeのものではなく仮想マシンのものであるために、PowerEdgeの監視という意味ではあまり意味をもたなくなってしまう(のでOMEはiDRACから情報を持ってくるようにすることが多い)。

 

 

【全体のイメージ図】

OM-SA.png

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