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③DPU搭載VxRailでネットワークサービスを高速化!
*こちらの記事は2023年1月に開催された[Ask The Expert]VxRail v8.0リリースのすべて!からの内容になります。
DPU搭載VxRailでネットワークサービスを高速化!
vSphere 8 の新機能といえば何といってもvSphere Distributed Services Engine (以降vSphere DSE)です。
2023年1月17日にリリースされたVxRail 8.0.010 にて、VxRailでもvSphere DSEが利用できるようになりました。
vSphere DSEは、DPUまたはSmartNICとよばれる次世代のネットワークカードを利用し、CPU処理をDPUにオフロードすることでネットワークパフォーマンスを向上や、効率的なリソース活用を可能にするソリューションです。
vSphere DSE のソリューション詳細については、2022年11月に開催された VMware Explore 2022 Japan のセッションにて詳しく解説されており、DPUについての初歩的な説明から、vSphere DSEの魅力とセットアップ方法まで丁寧に解説されております。
まだご覧になっていない方はぜひともご覧ください。
【VMware Explore 2022 Japan セッション:NS21252】
スマート NIC・DPU って知ってる?vSphere 8 の注目機能を基礎から徹底解説!
https://vm-event.jp/evolve/ondemand/EO22665/
もしくは、英語とはなりますが 2022年9月に開催された VMware Explore 2022 in US にてDeepDiveセッションが公開されておりますので、より詳細に把握されたい方はこちらもお勧めです。
VMware Explore 2022
Project Monterey Behind the Scenes: A Technical Deep Dive
vSphere DSEをVxRail観点でザックリ解説!
さて、Ask the Expert "VxRail v8.0リリースのすべて!" の3日目となる本日の投稿では、上記のリリース情報とDeepDiveセッションのご紹介に加えて、ハードウェア観点でのDPUの実装とVxRailでvSphere DSEを利用することのメリットについてご説明させていただきます。
まず、DPUがESXiからどのように管理されているかを簡単に図示してみました。
VxRailは物理的にはPowerEdgeサーバで構成されますので、PowerEdgeサーバ内でのESXiとDPUのコミュニケーションを図示しています。
- PowerEdgeサーバは通常のx86 CPUを搭載し、OSとしてESXiを稼働させてている
- PowerEdgeサーバPCIeスロットにDPUカードを搭載している
- DPUカードにはARM CPUとHWアクセラレータが搭載されている
- DPUカード上で ”ESXio” と呼ばれるDPU専用ESXi OSが稼働している
- x86 ESXi と DPU上のESXioはPCIeバスで通信する
- x86 ESXiはサーバ上のiDRACとvUSB NIC経由で通信をする
- DPU上のESXioは、NC-SI/RBTにてiDRACと通信をする(Management Interface CardとRIO Cardを経由)
上図からもわかる通り2つの管理パス(緑と黒)とI/Oパス(オレンジ)が存在します。
DPU上にESXioをインストールする際には、ESXiのインストーラーから一緒にインストールすることができますが、その際には黒線のiDRAC経由でDPU上にESXioをインストールしたり、Rebootしたりしています。
また、x86 ESXiからDPU上のESXioに対してPCIe バス経由で管理疎通(緑)が可能であり、オフロードの設定などを投入することができます。
I/Oはオレンジ色のパスを利用し、vSphere DSEとして設定されている場合はI/O処理の一部がDPU上のCPUやHWアクセラレータにオフロードされます。
VxRailでvSphere DSEを利用するメリット
DPUを搭載した構成であっても通常のHCI VxRailと同じように優れた管理運用性を享受できます。
VxRailでvSphere DSEを利用する場合は、VxRail 8.0.010として新規に出荷する必要がありますが、
出荷時点で必要なDPUの搭載や必要な内部ケーブリングはすべて実施済みとなっています。
先の図からもわかる通り、DPUとiDRACの接続はサーバ内部にて特別なカードとケーブルの接続が必要ですが、出荷時点で既に実施されており、かつESXiとESXioもインストール済みのため、納品後にインストール作業をする必要がありません。
VxRailクラスタのデプロイも通常のVxRailと同じように実施でき、内部vCenterも利用できます。
さらにVxRailの機能によってDPUの状態を簡単に確認することができ、検知されたDPU障害を弊社に自動通報する機能もあります。
そして、もちろんVxRailの魅力であるライフサイクル管理機能によって、DPUの含めた一括アップグレードを無停止(※)で実施できるだけでなく、将来的なノード追加、拡張も標準のVxRailと同じようにスムーズに実施できます。
※vMotionとvSANストレージの可用性によって仮想マシンを停止せずにアップグレード可能
VxRailでDPUを利用する際のFAQ
最後に実際にDPU搭載VxRailを導入する際のFAQをご紹介いたします。
- 対応モデルは?
- E660F/P670N/V670Fに対応しています。
- E660F/P670N/V670Fに対応しています。
- 利用できるDPUカードは?
-
- Nvidia (Mellanox) Bluefield-2 (25 GbE) および、Pensando (25 GbE and 100 GbE) です。
- Nvidia (Mellanox) Bluefield-2 (25 GbE) および、Pensando (25 GbE and 100 GbE) です。
- vSAN ESAと併用可能?
-
- 現時点ではvSAN OSAのみをサポートしています。
- 現時点ではvSAN OSAのみをサポートしています。
- GPUは搭載可能?
-
- V670Fをサポートしていますが、GPUとの混在はサポートしていません。
- V670Fをサポートしていますが、GPUとの混在はサポートしていません。
- 初期構築時に自動でvSphere DSEの設定もされる?
-
- vSphere DSEは、NSX-Tのインストールが必須となっているため、初期構築後のDay2タスクとして有効化することができます。
- 初期構築時にうっかりDPUをSystem vDSに割り当てないようにフィルタリングされています。
- LOM(2 x 1GBase-T)がなくなっている?
-
- はい。通常の15GモデルVxRailではLOMとして1GBase-Tのインターフェースが付帯していましたが、DPUモデルではLOMのスロットにManagement Interface Cardが搭載されているため、LOMは付帯しておりません。
- はい。通常の15GモデルVxRailではLOMとして1GBase-Tのインターフェースが付帯していましたが、DPUモデルではLOMのスロットにManagement Interface Cardが搭載されているため、LOMは付帯しておりません。
- LOMがなくなったことによる影響は?
-
- 特殊な構成を除きVxRailのシステムトラフィックはOCP(オンボードNIC)を利用するため影響はありません。
- LOMがなくなったことで、vmnicの採番が変わっている点はご注意ください。(vmnic0がOCPポート0)
- 拡張スロットに空きはある?
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- E660Fは、OCP/DPU以外にFH(x16)のスロットが1つ空いています。
- P670N/V670Fは、OCP/DPU以外にFH(x16)が1つ、FH(x8)が2つ、LP(x16)が2つ空いています。
- DPUの冗長構成は可能?
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- 残念ながら初期リリースにおいてはvSphere DSEで冗長構成はサポートされておりません。
- 残念ながら初期リリースにおいてはvSphere DSEで冗長構成はサポートされておりません。
- 既存の15G VxRailにDPUを後付けできる?
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- 残念ながら、Management Interface CardやUARTケーブルの搭載が必要になるため現時点では新規出荷でのみDPUを利用可能です。
- 残念ながら、Management Interface CardやUARTケーブルの搭載が必要になるため現時点では新規出荷でのみDPUを利用可能です。
- vSphere DSEとしての制限に加えて、VxRail環境固有の制限はある?
-
- 以下の構成ではDPUが利用できません
- ストレッチクラスタ
- 2ノードクラスタ
- Optane memory
- 256GB LRDIMM
- GPU
- 以下の構成ではDPUが利用できません