CIFSのみのVDMインポート
データと共にインポートできる設定とIDは、CIFSのみのVDMの一部とする必要があります。
注: SMB操作で、初期コピーを開始するにはSMB1を有効化する必要があります。SMB1は、すべてのCIFSベースの移行での要件です。移行が完了したら、SMB1を無効化することができます。
要求される設定とID情報は次のようになります。
ネットワーク:
ネーム サービス:
CIFSサーバのID:
Name
AD(Active Directory)アカウント
CIFS共有
ローカル グループ
ローカルユーザー
VDMの設定:
データ:
ファイル システム
ファイルのセキュリティ(ACL(アクセス制御リスト保存))
タイムスタンプ(インポート中、作成日と最終変更日は変更されません)
注: ソースVDMに対してドメイン構成が無効の場合、SMBサーバのドメイン名は、対応するDNS構成の検索に使用されます。構成が見つからない場合は、移行を開始できません。VDMのドメイン設定を有効化するには、CLIコマンドserver_nsdomains を使用します。このコマンドを使用して、ソースVDMのDNS、LDAP、NIS構成を有効にして、Unityシステムに確実かつ適切にインポートされるように設定します。
ソースVNX VDMサーバと、そのサーバの各ファイル システム(UFS32ベースのファイル システム)が、ターゲットUnityシステム上の新しいUFS64ベースのファイル システム フォーマットに移行されます。また、すべてのファイル システムがシンとして移行され、ターゲットUnityシステムでシンとして保持されます。ファイル システムは個別に移行できず、VDMサーバの移行の一環としてのみ移行できます。
CIFSのみのVDMインポートの前提条件
CIFSのみのVDMとその関連ファイル システムをVNXストレージ システムからUnityストレージ システムにインポートするには、以下の前提条件が満たされている必要があります。
VNXストレージ システムとUnityストレージ システムの間で時間が同期されている。時間差は5秒以内でなければなりません。ソースVDMをホストするVNX Data MoverとターゲットUnity SPとで、使用するNTPサーバーを同じにします。NTPの詳細については、『Configuring Time Services on VNX 』を参照してください。注: 使用するNTPサーバーの階層番号は5以下でなければなりません。
VDMインポート操作を実行するために、ターゲットUnityシステム上に1つ以上のプールが作成され、使用可能である。選択されたプールは、移行されたソースVDMとそのすべてのファイル システムを格納するのに十分なサイズであることが必要です。注: 移行では、圧縮データは解凍され、重複排除されたデータは重複排除が解除されます。こうしたデータ サイズ変更を処理するのに十分な容量をターゲット プールに確保してください。ソースVNXで、データの圧縮と重複排除による領域節約のサイズを確認し、展開済みデータと重複排除が解除されたデータに必要となる領域がどれだけになるかを判断してください。
VDMインポート セッションを作成する前に、次の操作を行う必要がある。
移行インターフェイスをソースData Mover(IPv4にはserver_ifconfig <server_name > -create -Device <device > -name <nas_migration_interface_name > -protocol IP <ipv4 > <ipnetmask > <ip–broadcast > を使用、IPv6にはserver_ifconfig <server_name > -create -Device <device > -name <nas_migration_interface_name > -protocol IP6 <ipv6/PrefixLength > を使用)に作成し、そのインターフェイスを移行対象ソースVDMへアタッチします(nas_server -vdm <vdm_name > -attach <nas_migration_interface_name > を使用)。ソースVDMで追加された、移行を実行するためのインターフェイスの名前にはプレフィックス「nas_migraiton_」を付けて、移行プロセスによって、そのインターフェイスを明確に特定できるようにします。このインターフェイスはVDMインポート操作にのみ使用し、本番インターフェイスとして使用してはなりません。各VDMインポート セッションがコミットされた後に、そのインターフェイスを再使用するには、その次に来るVDMへアタッチします。
以下の点を確認します。
ソースVDMが配置されている物理Data Moverに、移行中のVDMに接続されていないIPインターフェイスが少なくとも1つ構成されていること。このIPインターフェイスにより、ソースData Moverが無停止のネーム サービスを残りのファイル サーバに確実に提供できます。この追加インターフェイスが存在しない場合、VDMインポート セッションは失敗します。
(AD参加CIFSサーバを含むソースVDMのみ)移行インターフェイスはソースCIFSサーバに追加され、このインターフェイスに、本番インターフェイスとは異なるDNSドメインのプレフィックスが付いていること。DNSゾーンで、このインターフェイスを追加するには、コマンド フォーマットserver_cifs <vdm_name > -add compname=<compname >,domain=<domainname >,interface=<nas_migration_interface >,dns=<specific_prefix.domainname > を使用します。このコマンドにより、移行IPアドレスをホストするための追加ゾーンがDNSサーバーに作成されます。このアクションにより、移行インターフェイスは本番環境で使用されなくなります。ソース システムに関連するCLIコマンドの詳細については、VNX Command Line Interface Reference for File を参照してください。
ソースVDMで単一のCIFSサーバが構成されていること。
C$共有が、VDMをホストするソースData Moverで使用可能で、無効になっていない、または読み取り専用に設定されていないこと。C$共有は使用可能である必要があります。使用可能になっていないと、インポートを開始できません・ソースで無効になっている場合、または読み取り専用の場合は、対応するパラメーターを変更して有効にします。server_param <source_server > -facility cifs -modify admin.shareC_NotCreated -value 0
server_param <source_server > -facility cifs -modify admin.shareC_RO -value 0
注: admin.shareC_NotCreatedに対する変更を有効にするには、CIFSファシリティに関連づけられているサービスを停止し、開始する必要があります。
ソースVDMファイル システムでNFSエクスポートが構成されていないこと。
ソースCIFSサーバで、ローカルCIFSユーザーが有効になっていること。(AD参加CIFSサーバーのみ)ローカル ユーザーが有効化されていない場合、ローカル ユーザーをソースCIFSサーバーで有効化するには、server_cifs <vdmname > -add compname=<computername >,domain=<domainname >,local_users を入力します。ローカル ユーザー サポート有効化の詳細については、Configuring and Managing CIFS on VNX を参照してください。
ソースCIFSサーバのローカル管理者グループのメンバーであるローカル ユーザーが、ソースCIFSサーバに存在すること。このユーザーには、バックアップおよびリストア権限が必要です(デフォルトでは、管理者ローカル グループのメンバーであれば十分です)。ローカル ユーザーとグループ アカウントの詳細については、Configuring and Managing CIFS on VNX を参照してください。
インポートに使用するリモート システムのローカルCIFSユーザーの認証情報、ユーザー名、パスワード。
VDMをホストするソースData Moverで拡張acl機能が有効になっていること(パラメーターcifs.acl.extaclにはビット2、3、4セット、10進数値28が必要です)。設定を表示するには、次のコマンドを使用します。server_param <source_datamover > -facility cifs -info acl.extacl 必要に応じて、次のコマンドを使用して、設定を変更します。server_param <source_datamover > -facility cifs -modify acl.extacl -value 28
VDMをホストするソースData Moverで、不明SIDパラメーターが有効になっていること(パラメーターcifs.acl.mappingErrorActionが、0x0b、10進数値11に設定されている必要があります)。設定を表示するには、次のコマンドを使用します。server_param <source_datamover > -facility cifs -info acl.mappingErrorAction 必要に応じて、次のコマンドを使用して、設定を変更します。server_param <source_datamover > -facility cifs -modify acl.mappingErrorAction -value 11
NTセキュリティがソースで有効になっていること。共有とUNIXのセキュリティ レベルはサポートされていません。このオプションは、ファイル システムのマウント オプションです。必要に応じて、ファイル システムのマウント オプションを変更します。
ソースVDMがutf8ベースでないこと。
ソースCIFSサーバが、CIFSサーバのようにWindows NT 4.0でないこと。
ドメイン参加CIFSサーバの場合、Windowsドメインに対してDNSが構成されていること。
カットオーバー後、ソースの他のVDMが、DNSおよびDC(ドメイン コントローラー)にアクセスできること。
カットオーバー後、デスティネーションのDNSとDCにアクセス可能であること。
2台のControl Stationが含まれるソースVNXシステムの場合、インポート接続の構成で使用される、管理者ロールを持つユーザーのホーム ディレクトリは、VNXのプライマリControl Stationに存在しなければならない。詳細については、2台のControl Stationを備えたVNXシステム を参照してください。
インポート接続を作成する前に、ターゲット システムの各SP(AとB)のモビリティ インターフェイスIPアドレスを構成しておく必要がある(インポート セッションを作成する際は、SPAとSPBのいずれかのモビリティー インターフェイスIPアドレスを選択して、ターゲット インポート インターフェイスとして使用します。このインターフェイスは、VNX CIFSサーバーとファイル システムの移行に使用されます。)
VDMインポートを実行する前に、ソースVNXシステムとターゲットUnityシステムとの間にインポート接続が作成されていなければならない。
ソースVNXのData Moverで構成されているネーム サービス サーバ(DNS)に、ソースVDMに接続されているネットワーク インターフェイスを使用して接続できない場合は、他のインターフェイスをVDMに接続します。この追加インターフェイスにより、ソースVDMをネーム サービス サーバに確実に接続できます。
ネーム サービス サーバに、ソースVDMに接続されているネットワーク インターフェイスを使用してのみ接続できる場合は、Data Moverで他のネットワーク インターフェイスを作成します。この追加ネットワーク インターフェイスで、Data Moverでは、Data Moverのネーム サービス サーバーと他のクライアントへの接続を確保できます。