ドライブをRAIDボリュームとして構成する場合に、最適なパフォーマンスを得るために、Dellはドライブ モデルを同一にすることを推奨します。
RAID 0(ストライピング、パフォーマンス)ボリュームでは、データが複数のドライブに分割されるため、ドライブが同じモデルの場合にパフォーマンスが向上するというメリットが得られます。これは、IO操作のブロック サイズがストライプ サイズよりも大きくなると、IOが分割されて最も速度の遅いドライブの制約を受けるためです。ブロック長がストライプ サイズよりも小さいRAID 0 IO処理では、IO処理のターゲットとなるドライブによってパフォーマンスが決定するため、ばらつきが大きくなり、一貫性のないレイテンシが発生します。このようなばらつきは、書き込み処理の場合に特に顕著となり、レイテンシーの影響を受けやすいアプリケーションでは問題になる場合があります。このような例の1つが、非常に小さいブロック長で1秒あたり数千回のランダム書き込みを行うアプリケーションです。
RAID 1(ミラーリング、データ保護)のボリュームは、データが複数のドライブ間でミラーリングされるため、ドライブが一致している場合にパフォーマンスが向上するというメリットが得られます。すべてのIO処理を両方のドライブで同じように行う必要があるため、モデルが異なる場合はドライブ パフォーマンスのばらつきが発生し、IO処理は最も低速のドライブと同じ速度でのみ完了します。この場合、異なるタイプのドライブを使用したRAID 0のように、わずかなランダムIO処理でレイテンシーにばらつきが出る問題は発生しませんが、パフォーマンスの高いドライブがすべてのIOタイプで制限されるため、やはり大きな影響を受けます。ここでパフォーマンスが制約される最悪の例の1つは、非バッファ型IOを使用する場合です。書き込みがRAIDボリュームの不揮発性領域に完全にコミットされるようにするために、非バッファ型IOはキャッシュをバイパスし(たとえば、NVMeプロトコルで強制ユニット アクセス ビットを使用して)、RAIDボリュームのすべてのドライブがデータをコミットするリクエストを完了するまでIO処理は完了しません。このような種類のIO処理では、ボリュームにおけるパフォーマンスの高いドライブのメリットはなくなります。
ドライブのベンダー、容量、クラスだけでなく、特定のモデルも一致させるように注意する必要があります。同じベンダー、同じ容量、同じクラスのドライブでも、IO処理の種類によっては、パフォーマンス特性が大きく異なる場合があります。したがって、同じモデルを採用することにより、ボリューム内にパフォーマンスの低いドライブがある場合に受けるような不利益を被ることなく、RAIDボリュームのあらゆるメリットを享受できる同質のドライブ アレイでRAIDボリュームを構成することができます。
Dell Precision 3460スモール フォーム ファクターでは、複数のハード ドライブ構成を持つRAIDがサポートされます。