SMI-Sを使用する
この付録では、ストレージ システム(ストレージ管理アプリケーションからStorage Management Initiative Specification(SMI-S)に至るまで)を管理するネットワーク管理者向けに情報提供を行います。SMI-SはStorage Networking Industry Association(SNIA)の標準であり、ストレージ ネットワークやストレージ デバイスの相互運用可能な管理を実現します。
注: SMI-Sは、5U84エンクロージャを備えたシステムではサポートされていません。
SMI-Sは、複数の異種管理オブジェクト モデル、プロトコル、およびトランスポートを、ストレージ ネットワーク内の各コンポーネント タイプごとに単一のオブジェクト指向モデルに置き換えます。この仕様はストレージ管理ソリューションを標準化するために、SNIAによって作成されました。管理アプリケーションはもはや専有されるものではないため、SMI-Sを活用することで、複数ベンダーのストレージ デバイスを迅速かつ確実にサポートすることができます。SMI-Sはベンダー別ではなく、タイプ別にストレージ エレメントを検出および管理します。
SMI-Sの主なコンポーネントは次のとおりです。
- Webベースのエンタープライズ管理(WBEM)。エンタープライズ コンピューティング環境を一元管理するために開発された、管理標準テクノロジーおよびインターネット標準テクノロジー。WBEMには、次の仕様が含まれています。
- CIM XML:DTDに準拠したXMLエレメントを定義します(CIMクラスおよびCIMインスタンスを表すために使用)。
- HTTP/HTTPSを介したCIMxml操作:HTTP/HTTPSへのCIM操作のマッピングを定義します(転送メカニズムとして使用)。
- 共通情報モデル(CIM)。WBEMのデータ モデル。システム、ネットワーク、アプリケーション、およびサービスの管理情報の共通定義を提供し、ベンダー エクステンションを許容します。SMI-Sはストレージに関するCIMの解釈です。オブジェクト指向技術を使用して、データの整合性がとれた定義と構造を提供します。CIMのエレメントを定義する標準言語はMOFです。
- サービス ロケーション プロトコル(SLP)。事前設定することなく、ローカル エリア ネットワーク内のコンピューターやその他のデバイスがサービスを検索できるようにします。SLPは小規模かつ管理対象外のネットワークから大規模エンタープライズ ネットワークへ拡張できるように設計されています。