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Dell Networking Force10スイッチとMicrosoft Network負荷分散

Summary: Dell Networking Force10スイッチをMicrosoftネットワーク負荷分散NLBを使用するために設定する方法

This article applies to This article does not apply to This article is not tied to any specific product. Not all product versions are identified in this article.

Instructions

この文書では、Microsoftネットワーク負荷分散(NLB)の概要および、Dell Networking Force10スイッチでのNLBの設定方法について説明します。
 


目的
 
  1. NLBの概要
  2. NLBユニキャスト モード 
  3. NLBマルチキャスト モード
  4. スイッチでNLBを有効にする場合の制限事項
  5. Microsoftクラスタリングを使用する利点
  6. VLANフラッディングを有効または無効にする
  7. スイッチのNLB用の設定


NLBの概要

 
この機能はDell Networking OSでサポートされています。
 
ネットワーク負荷分散は、MicrosoftによってWindows 2000 ServerおよびWindows Server 2003オペレーティング システムに実装されたクラスタリング機能です。NLBでは、分散型の方法またはパターンを用いてネットワーク トラフィック負荷を均等に分割して、それをクラスターやグループの一部であるサーバー セット全体に分散させます。NLBでは、このようなサーバー群を単一のマルチキャスト グループにまとめた上で、標準的なマルチキャストIPアドレスまたはユニキャストIPアドレス、およびMACアドレスを使用したネットワーク トラフィックの送信を試みます。同時に、単一の仮想IPアドレスをすべてのクライアントに対する宛先IPアドレスとして使用することで、同じマルチキャスト グループへのサーバー群の参加が、クライアントから見て透過的な方法で行えるようになります(グループに新規サーバーが追加されても、クライアントには意識されません)。クライアントからサーバーへの接続には、1つのクラスターIPアドレスが使用されます。NLB機能によって、VLANのポート群(ユニキャスト モードの場合)またはVLANポートのサブセット(マルチキャスト モードの場合)に対するトラフィックのフラッディングが可能になります。これにより過負荷が回避され、サーバーのパフォーマンスが効率化されることで、最適なデータ パケット処理ができるようになります。
 
NLBは、ユニキャスト モードとマルチキャスト モードという2つのモードで機能します。クラスターIPアドレスおよび関連するクラスターMACアドレスの設定は、Windows Serverで実行されるNLBアプリケーションで行われます。ユニキャスト モードの場合、サーバーIPアドレスはARPアプリケーションを使用したMACアドレスへの解決が試行され、サーバーから取得したARP応答がNLBタイプであるかどうかがスイッチによって判別されます。次にスイッチは、IPアドレス(クラスターIP)をMACアドレス(クラスターMACアドレス)にマッピングします。マルチキャスト モードの場合、クラスターIPアドレスのマッピングは、静的ARP CLI設定コマンドによって設定されたクラスター マルチキャストMACアドレスに対して行われます。NLBエントリーの学習後、クラスター仮想IPアドレスに対応するVLAN内のすべてのサーバーに向けて、トラフィックが転送されます。
 

 

Microsoftネットワーク負荷分散機能は、FTOSバージョン9.3.0.0以降でのみ使用できます。

 

NLBユニキャスト モード
 
 
サンプル トポロジーとして、S1~S4という4台のサーバーが、1つのクラスター、つまり1つのファームとして設定されている場合を考察します。この一群のサーバー セットは1つのレイヤー3スイッチに接続されており、これはエンド クライアントに接続されています。サーバー群には、単一のIPアドレス(172.16.2.20のIPクラスター アドレス)および、単一のユニキャストMACアドレス(00-bf-ac-10-00-01のMACクラスター アドレス)が負荷分散用に割り当てられています。特定のスイッチにある複数のポートで1つのMACアドレスを学習することはできないため、S1~S4の各サーバーにはMACクラスター アドレスに加えてMAC-s1~MAC-s4のMACアドレスがそれぞれ割り当てられます。クラスターのサーバーはすべて、VLAN1という名前のVLANに属しているとします。
 
ユニキャストNLBモードの場合、次の一連のイベントが発生します。
 
  • スイッチは、クラスターMACアドレスのIPアドレスを解決するために1つのARPリクエストを送信します。
  • ARPサーバーから送信されるARP応答は、ARPヘッダー内にMACクラスター アドレスがあり、Ethernetヘッダー内にはMAC-s1/s2/s3/s4(サーバーS1~S4用)の1つのMACアドレスが格納されています。
  • スイッチは、IPアドレスと関連付けするMACクラスター アドレスを、最後に取得したARP応答のものにします。  ここでは最後のARP送信はMAC-s4から取得されたとします(MAC-s4のARP応答が最後に受信された応答と想定)。  サーバーS4に関連付けられたインターフェイスがARPテーブルに追加されます。
  • NLB機能が有効にされていると、NLB ARPエントリーの学習後に、後続のトラフィックはすべてVLAN 1の全ポートでフラッディングされます。

NLBを使用すると、データ フレームが該当するすべてのサーバーに転送され、ロード バランシングが実行されます。
 

NLBマルチキャスト モード

 
サンプル トポロジーとして、S1~S4という4台のサーバーが、1つのクラスター、つまり1つのファームとして設定されている場合を考察します。この一群のサーバー セットは1つのレイヤー3スイッチに接続されており、これはエンド クライアントに接続されています。これらには単一のマルチキャストMACアドレスが割り当てられています(MACクラスター:03-00-5E-11-11-11)。
 
マルチキャストNLBモードの場合、静的ARP設定コマンドを用いて、クラスターIPアドレスが1つのマルチキャスト クラスターMACアドレスに関連付けられます。
 
マルチキャストNLBモードでは、すべてのサーバーへのデータ転送は、レイヤー2マルチキャスト コマンドで指定されたポートに基づいて行われます。具体的には、mac-address-table static multicast vlan output-range , コマンドをCONFIGURATIONモードで実行します。



スイッチでNLBを有効にする場合の制限事項
 
  • NLBユニキャスト モードでは、スイッチ フラッディングを用いることで、VLANに属す全サーバーにすべてのパケットが送信されます。大量のトラフィックが処理されると、クラスタリングのパフォーマンスにある程度の影響が及ぶ可能性があります。この制限が及ぶのは、ソフトウェア的にユニキャスト フラッディングを実行するスイッチ群です。
  • ip vlan-floodingコマンドの適用先は、システム全体およびすべてのVLAN群です。NLBが適用可能であり、ARP応答にEthernet SHAとARPヘッダーSHAフレームの不一致がある場合、関連するVLAN上全体でパケットのフラッディングが発生します。
  • サポートされる同時クラスターの最大数は8です。
 
 
Microsoftクラスタリングを使用する利点

 
Microsoftクラスタリングを使用すると、Microsoft Windowsを実行する複数のサーバーを1つのMACアドレスとIPアドレスで代表させることで、透過的なフェールオーバーやバランシングを実現できます。Dell Networking OSは、デフォルトではサーバー クラスターを認識できず、そのための設定が必要です。ARPリクエストが1つのサーバー クラスターに送信されると、クラスター設定に応じて、アクティブ サーバーまたはすべてのサーバーから1つの応答が送信されます。応答を送信したのがアクティブ サーバーの場合、Dellスイッチはアクティブ サーバーのMACアドレスを学習します。応答したのがすべてのサーバーの場合、スイッチに登録されるのは最後に受信したARP応答だけになります。スイッチが学習するのは1つのサーバーの実際のMACアドレスであって、仮想MACアドレスは学習されません。仮想MACアドレスが学習されないため、トラフィックはクラスター全体ではなく、1つのサーバーだけに転送され、フェールオーバーおよびバランシングは保持されません。
 
フェールオーバーとバランシングを保持するため、サーバー クラスター宛てのトラフィックのスイッチによる転送は、クラスターに接続されたVLAN内のすべてのメンバー ポートに対して行われます。これを確実に行わせるには、Dellスイッチでのip vlan-floodingコマンドの設定を、Microsoftクラスターの設定時に行う必要があります。サーバーのMACアドレスが提示されるのはARP応答のEthernetフレーム ヘッダー中であるのに対して、クラスターを示す仮想MACアドレスが提示されるのはペイロード中です。次に、クラスター宛ての全トラフィックが、すべてのメンバー ポートからフラッディングされます。クラスター内のすべてのサーバーがトラフィックを受信することで、フェールオーバーとバランシングが保持されます
 


VLANフラッディングを有効または無効にする
 
  • 古いARPエントリーは、新しいNLBエントリーが学習されるごとに上書きされます。
  • 機能の有効化後に学習されたすべてのARPエントリーは、機能を無効化すると削除され、ARP解決がRP2によりトリガーされます。この機能は、no ip vlan-floodingコマンドにより無効化されます。
  • VLANにポートが追加されると、機能が有効化されている場合、そのポートは自動的にトラフィックを受信します。古いARPエントリーの削除や更新はされません。
  • メンバー ポートが削除されると、そのARPエントリーもCAMから削除されます。
  • VLANのポート チャネルもトラフィックを受信します。
  • 設定の保存による、設定への影響はありません。
  • ip vlan-flooding CLIの設定を表示するshow running-configコマンドの出力には、この機能も表示されます(有効化されている場合)。これ以外に、この機能が有効にされていることを確認する方法はありません。


スイッチのNLB用の設定

 
この機能のユニキャストNLBモードをスイッチで有効化するには、次の手順を実行します。
 
を参照してください
 
 
コマンド パラメータ
FTOS# configuration グローバル設定モードに入ります。
FTOS(conf)# ip vlan-flooding これは、レイヤー3ユニキャストでルーティングされるデータ トラフィックについて、VLANメンバー ポートを通過するものは、すべて当該VLANの全メンバー ポートにフラッディングする必要があるという指定です。ARPパケットによって解決されるARPテーブル エントリーの一部では、ARPパケット内のMAC情報とEthernet MAC SAが異なっている場合があります。このユニキャスト データ トラフィックのフラッディングが発生するのは、こうしたARPエントリーを使用するパケットに対してだけです。
 


この機能のマルチキャストNLBモードをスイッチで有効化するには、次の手順を実行します。

 
コマンド パラメータ
FTOS# configure グローバル設定モードに入ります。
FTOS(conf)# arp 192.168.1.1  te 0/10 このコマンドは、静的ARPエントリーを追加して、スイッチのマルチキャストMACアドレスにIPアドレスを関連付けます。この設定により、NLBモードで動作するスイッチのクラスターIPアドレスに、マルチキャストMACアドレスがマッピングされます。
FTOS(conf)# mac-address-table static  multicast vlan 1 output- range te 0/1 - 4 特定のMACアドレスまたはハードウェア アドレスをVLAN群に関連付ける

 

Affected Products

PowerSwitch S4810P, PowerSwitch S5000, PowerSwitch S6000, Force10 Z9000, Dell Networking Z9500
Article Properties
Article Number: 000121394
Article Type: How To
Last Modified: 07 Oct 2024
Version:  4
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