保存期間は、CASアプリケーションによってオブジェクトのC-Clipに割り当てられます。
たとえば、財務ドキュメントを作成日から3年間保持する必要がある場合は、注:Centeraの保存クラスの概念は、ECSの保存ポリシーに対応しています。この
ドキュメントでは保存ポリシーを使用します。
保存ポリシーを複数のC-Clipに適用する場合は、ポリシーを変更します。ポリシーが
適用されるすべてのオブジェクトの保存期間が変更されます。
ECSバケットレベルの保存とCAS
バケット レベルの保存は、Centeraのデフォルトのプール保存ではありません。ECSでは、CASのデフォルトの保存はコンプライアンス ネームスペースでオブジェクトレベルの保存を行わずに書き込まれたオブジェクト
のデフォルトの保存期間。
CASの優先順位
ECSでCASオブジェクトに複数の保存期間が適用されている場合、保存期間が適用された方法に関係なく、CAS保存を適用する方法
ネームスペースの保存ポリシーは、ECSポータルまたはECS管理APIを使用して定義
できます。「ネームスペース保存ポリシーの設定」を参照してください。
外部CASアプリケーションは、作成時に固定保存期間または保存ポリシーをC-Clipに割り当てることが
できます。
APIを使用して保存期間を適用する場合は、期間を秒単位で指定します。
注:ECS CASは、すべての保存関連の計算に、移行時間ではなくC-Clipの作成時間を使用
ECS管理APIを使用して保存ポリシーを作成する方法
ECSを使用して保存期間とポリシーを作成できます。以下にその概要を示します。
方法 | 説明 |
---|---|
PUT /object/bucket/{bucketName}/retention | バケットの保存期間の値は、バケット内のすべてのオブジェクトに適用される必須 の保存期間を定義します。 保存期間を1年に設定した場合、バケットのオブジェクトは1年間削除できません。 |
GET /object/bucket/{bucketName}/retention | 指定したバケットに現在設定されている保存期間を返します。 |
POST /object/namespaces/namespace/{namespace}/ retention |
ネームスペースの場合、保存設定はポリシーのように機能します。 各ポリシーは、<Name>:<Retention period>のペアです。 ネームスペースに対して複数の保存ポリシーを定義し、 ネームスペース内のオブジェクトにポリシーを名前で割り当てる ことができます。これにより、対応するポリシーを変更 することで、同じポリシーが割り当てられている一連のオブジェクト の保存期間を変更できます。 |
PUT /object/namespaces/namespace/{namespace}/ retention/{class} |
ネームスペースに関連付けられている保存期間 を更新します。 |
GET /object/namespaces/namespace/{namespace}/ retention |
ネームスペースに定義された保存ポリシーを返します。 |
ECS管理APIの詳細については、『ECS Data Access Guide』の「ECS Management REST API introduction」
を参照してください。オンライン リファレンスは次のとおりです。ECS APIリファレンス
ECSでサポートされているCAS APIで使用可能な高度な保存機能について説明します。
お客様のアプリケーションは、CAS APIを使用して保存戦略を有効にします。CASワークロードがECSに移行される際、CASバケットレベル保存のための最小/最大ガバナー
ECSポータルからCASバケットを見つけ、[Edit]を選択します。以下の画面に表示される機能は、
CASバケット保存機能の説明を、次の表に示します。
機能 | 説明 |
---|---|
[Enforce Retention] | この機能がオンになっている場合、保存情報(期間またはポリシー)なしでCASオブジェクトを作成することはできません。 このようなオブジェクトを保存しようとすると、エラーが返されます。オンの場合、 コンプライアンスが有効な環境であっても、 [Bucket Retention Period]を設定しないことが可能です。 注:CE+モードのCenteraがECSに移行されると、バケットで[Enforce Retention]がデフォルトで オンになります。 |
[Bucket Retention Period] |
バケットの保存期間が指定されている場合、バケットレベルとオブジェクトレベルの両方の保存期間がある場合は、より長い期間が 適用されます。コンプライアンスが有効な環境では、オブジェクトの保存情報が適用されない限り、 [Bucket Retention Period]は必須です。 ただし、いったん設定した[Bucket Retention Period]は、オブジェクト内の保存情報が適用されている場合でも リセットできません。 |
[Minimum Fixed Retention Period] |
この機能は、オブジェクトで指定された保存期間を制御します。オブジェクトの保存期間がここで指定された範囲外の場合、 オブジェクトの書き込み試行は失敗します。保存ポリシーを使用すると、最小/最大設定は適用されません。[Minimum Fixed Retention Period]に[Infinite]を選択すると、 すべての保存期間の値は無限でなくてはなりません。[Maximum Fixed Retention Period]に[Infinite]を選択すると、 上限がないことを意味します。最小/最大 の保存制限は、バケットに書き込まれたすべてのC-Clipに適用されます。SDKベースのサードパーティー ツール によってクリップが移行される場合は、保存期間が制限内である必要があります。そうでない場合はエラーが スローされます。 |
[Maximum Fixed Retention Period] |
|
[Minimum Variable Retention Period] |
この機能は、イベントベース保存(EBR)を使用して、オブジェクトで指定された可変保存期間を 制御します。EBRでは、ベース保存期間が設定され、プログラムされたトリガー関数には、 トリガーが発生したときに保存期間を延長する機能があります。オブジェクトの新しい 保存期間がここで指定された範囲外の場合、トリガーに応答してオブジェクト を書き込もうとすると失敗します。保存ポリシーを使用すると、最小/最大設定は適用されません。 [Minimum Variable Retention Period]に[Infinite]を選択すると、すべての保存期間の値は 無限でなくてはなりません。[Maximum Variable Retention Period]に[Infinite]を選択すると、 上限がないことを意味します。最小/最大の保存制限は、バケットに書き込まれたすべてのC-Clipに 適用されます。SDKベースのサードパーティー ツールによってクリップが移行される場合は、 保存期間が制限内である必要があります。そうでない場合はエラーがスローされます。 |
[Maximum Variable Retention Period] |
注:システム管理者またはプログラマーが固定保存期間と可変保存期間の値を設定していない場合、
ECS管理APIのget関数は最小/最大設定の値を返しません。
C-ClipのEnforce Retention情報は、デフォルト値として
falseを返します。
イベントベースの保存
イベントベース保存(EBR)は、イベントの前およびイベント後の指定された期間中にレコードをEBRを使用する場合、C-Clipライフサイクルは次のようになります。
非対応ネームスペースの場合、特権削除コマンドは、EBRの固定保存期間と可変保存期間を
上書きできます。
EBR保存期間を適用する場合は、可変保存期間の最小/最大ガバナー設定に従う必要があります。
機能 | 説明 |
FPClip_EnableEBRWithClass | この関数は、将来のイベントを受信する資格をC-Clipに設定し、C-Clipの作成時に イベントベース保存(EBR)クラスをC-Clipに割り当てることを可能にします。 |
FPClip_EnableEBRWithPeriod | この関数は、将来のイベントを受信する資格をC-Clipに設定し、C-Clipの作成時に イベントベース保存(EBR)期間をC-Clipに割り当てることを可能にします。 |
FPClip_IsEBREnabled | この関数は、イベントベース保存(EBR)に対してC-Clipが有効かどうかを示す ブール値を返します。 |
FPClip_GetEBRClassName | この関数は、C-Clipに割り当てられたイベントベース保存(EBR)ポリシーの名前を 取得します。 |
FPClip_GetEBREventTime | この関数は、そのC-Clipのイベントベース保存(EBR)イベントがトリガーされたときに C-Clipに設定されたイベント時間を返します。 |
FPClip_GetEBRPeriod | この関数は、C-Clipに関連付けられたイベントベース保存(EBR)期間の値(秒単位)を 返します。 |
FPClip_TriggerEBREvent | この関数は、イベントベース保存(EBR)が有効になっているC-Clipのイベントを トリガーします。 |
FPClip_TriggerEBREventWithClass | この関数は、イベントベース保存(EBR)が有効になっているC-Clipのイベントを トリガーし、新しいEBRポリシーをC-Clipに割り当てます。 |
FPClip_TriggerEBREventWithPeriod | この関数は、イベント ベース保存(EBR)が有効になっているC-Clipのイベントを トリガーし、新しいEBR期間をC-Clipに割り当てます。 |
法的証拠保全
法的証拠保全により、CASアプリケーションはC-Clipの削除を一時的に防止できます。法的証拠保全は、注:特権削除であっても、法的証拠保全の下でC-Clipを削除することはできません。
1つのC-Clipは、複数の法的証拠保全の下に配置できます。アプリケーションは、一意の法的証拠保全IDを生成し、法的証拠保全を使用する場合、C-Clipライフサイクルは次のようになります。
次の図は、法的証拠保全となったC-Clipで考えられる3つのシナリオを示しています。
注:法的証拠保全IDの最大サイズは64文字です。C-Clipあたりの法的証拠保全IDの
最大数は100です。これらの制限は、CAS APIによって適用されます。
次の表は、法的証拠保全に関するCAS API関数を示しています。
機能 | 説明 |
---|---|
FPClip_GetRetentionHold | この関数は、C-Clipの保留状態を決定し、trueまたはfalseを返します。 |
FPClip_SetRetentionHold | この関数は、C-Clipの保存の保留を設定またはリセットします。複数の法的証拠保全の場合、 保留ごとに一意の法的証拠保全IDを指定します。 複数の保留の場合は、IDごとに1回のコールを行います。 |