ワイヤレス ネットワークに関する問題のトラブルシューティングに必要な情報の主要なものについて、以下のリストに示します。
SSID:サービス セット識別子(Service Set Identifier)は、参加するネットワークの名前です。ワイヤレス ネットワークは、このSSIDをブロードキャストするように設定するか、SSIDを非表示にするように設定できます。SSIDがブロードキャストされる場合、「利用可能なワイヤレス ネットワーク」の一覧に表示されます。SSIDがブロードキャストされない場合、ネットワークに参加するためには、正確な名前(スペルや大文字と小文字の区別)がわかっている必要があります。
セキュリティ タイプ:これは、データの安全を保つためにネットワークで使用される暗号化のタイプです。Windowsがユーザーに代わって特定してくれる場合もあります。これはまた、使用できるセキュリティ キーとパスフレーズのタイプを決定します。一般的なセキュリティのオプションは、いかに示すリストのとおりです(セキュリティ レベル順)。「セキュリティ保護なし」は最も安全性が低く、「WPA2」は最も安全性が高いオプションです。
セキュリティ保護なし(またはオープン)
Wired Equivalent Privacy (WEP) 64ビット
Wired Equivalent Privacy (WEP) 128ビット
Wi-Fi Protected Access(WPA)オプション(AESとTKIPを含む)
Wi-Fi Protected Accessバージョン2 (WPA2)(AESとTKIPを含む)
セキュリティ キーまたはパスフレーズ: これは、データの暗号化に使用されるキーです。このキーやフレーズが正しくないと、ネットワークでのデータの流れを把握できません。これは、秘密のノックや「開けごま」の呪文のようなものです。
アクセス ポイントまたはルーターからの距離:許容される信号強度の範囲はWi-Fiタイプによって異なりますが、一般的なガイドラインは屋内で120フィート、屋外で300フィートです。
見通し線:アクセス ポイントとデバイス間にある障害物は、信号の強度と範囲を弱めます。一部の材質は、その他のものより大きく影響します。高密度の木材(オーク材など)および金属製のものは最も大きく影響します。石こうや布は、影響が最も少ない材質です。アクセス ポイントとデバイス間にある多目的クローゼット、木製キャビネット、金属製パイプ、トイレなどは、信号の強度を弱めます。
チャネル信号の重複:Wi-Fi信号は、2.4 GHz帯域幅で5つのチャネルを使用します。2と7など、チャネル番号が5以上異なる2つのチャネルは重複しません。「チャネル1、6、および11だけは重複しない」とよく言われますが、それは正しくありません。チャネル1、6、および11は、米国における3つの重複しないチャネルのグループです。そのエリアにある重複するネットワーク上のその他のWi-Fiネットワークに干渉する可能性があります。
IEEE 802.11 a/b/g/n/acは、認められた業界標準です。これらの規格について、その機能およびメリットとデメリットを比較したものを以下に示します。
スタンダード | 名前 | リリース日 | 周波数範囲 | 最高速度 | 現実的な速度 | 室内の範囲 | 野外の範囲 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
802.11a | Wi-Fi 1 | 1999 | 5 GHz | 54 Mbps | 23〜28 Mbps | 20 m | 120 m |
802.11b | Wi-Fi 2 | 1999 | 2.4 GHz | 11 Mbps | 5.9 Mbps | 35 m | 120 m |
802.11 g | Wi-Fi 3 | 2003 | 2.4 GHz | 54 Mbps | 22 Mbps | 38 m | 140 m |
802.11n | Wi-Fi 4 | 2009 | 2.4 GHzおよび5 GHz | 300 Mbps | 130~150 Mbps | 70 m | 250 m |
802.11ac | Wi-Fi 5 | 2013 | 2.4 GHzおよび5 GHz | 1300 Mbps | 35 m | ||
802.11ax | Wi-Fi 6 | 2019 | 2.4 GHzおよび5 GHz | 10..53 Gbps |
有効範囲は、見通し線とその間の障害物によって大幅に異なります。
(図1 - 802.11aの信号範囲)
802.11aの信号範囲の例で、2,3枚の壁でさえも信号を吸収してしまうのが分かります。
(図2 - 802.11 gの信号範囲)
802.11 gの信号範囲の例で、壁による信号範囲への影響がとても少ないのが分かります。
以下のシナリオでのトラブルシューティング手順は、次のとおりです。
シナリオ | トラブルシューティング手順 |
---|---|
SSIDは表示されているが接続できない |
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SSIDが表示されない |
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一部のSSIDは表示されているが必要なSSIDが表示されない |
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正しいSSIDに接続できるがIPアドレスを取得できない |
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ネットワークには接続できるがデータを取得できない
デバイスがネットワークから断続的に切断される
同じ周波数帯域でその他のデバイスを使用している空間で切断が起きないようにします。例としては次のようなものがあります。
接続速度が遅い
そのエリアにある同じ周波数帯域を使用するその他のデバイスを排除します。例としては次のようなものがあります。
DellノートパソコンをLCDを閉じた状態で使用すると、ワイヤレス パフォーマンスの問題が発生し、パッケージの一部が失われる可能性があります。ほとんどのノートパソコンでは、Wi-Fiアンテナはカバーの上部から角に向かって配置されており、垂直方向(LCDカバーを開いた状態)で作動するように設計されています。LCDを閉じると、信号が劣化し、ネットワーク パッケージが失われる可能性があります。
DellノートパソコンでLCDを閉じた状態でワイヤレス接続の問題が発生した場合、LCDを閉じた状態でネットワーク接続が必要な場合は、有線接続(直接接続または接続されたドッキング ステーション経由)を使用することをお勧めします。
ワイヤレス ネットワークとプロトコルに関する詳細については、以下のリンクを参照してください。
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