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グレート バリア リーフを保護するためにデル・テクノロジーズのディープ ラーニングが世界中のボランティアを支援

Citizens of the Great Barrier Reefが次世代のGreat Reef Census分析プラットフォームを立ち上げ、新たなディープ ラーニング テクノロジーがより有益な情報を保全活動にもたらしています

デル・テクノロジーズ提供 | 2023年5月24日
デル・テクノロジーズは、Citizens of The Great Barrier Reefと提携し、新たなディープ ラーニング テクノロジー モデルを立ち上げました。このモデルにより、Great Reef Census (GRC)の次のフェースでは、世界中の市民科学者たちが、グレート バリア リーフについて収集した調査画像をより短時間で正確に分析できるようになります。

次世代のGRCプラットフォームでは、サンゴ礁の状態を迅速に特定して、よりタイムリーな保全活動を可能にするために、ディープ ラーニングが採用されました。以前に導入されたDellのエッジ ソリューションが船舶に搭載され、モバイル ネットワーク経由でディープ ラーニング モデルにデータを直接、自動的にアップロードするため、画像がリアルタイムで取り込まれます。ディープ ラーニング テクノロジーによって、これまではボランティアの人手に頼るしかなかった画像分析がスピードアップされて、GRCの能力が高まり、グレート バリア リーフの保全活動に有益な情報をもたらすでしょう。
Dell Technologies + Reefs
We partnered with Australian based Citizens of the Great Barrier Reef to create a Dell AI solution, accelerated by #IntelXeon to transform reef analysis and conservation, helping them scale to new depths in their mission and in the ocean.
Citizens of the Great Barrier ReefのCEO(最高経営責任者)兼創設者であるAndy Ridley氏は、「グレート バリア リーフは世界で最も広大なサンゴ礁生態系であり、イタリアよりも広く、宇宙からも見える」と言っています。「白化現象やサンゴを食べるオニヒトデの大発生といった脅威が、グレート バリア リーフの繊細な生態系の広範囲にダメージを与えています。サンゴ礁の直接的な管理保全を可能にするには、サンゴ礁間の連結性を理解することが鍵となります。これまで研究者たちが観察できていたのは、3,000ある個々のサンゴ礁の約5~10%に過ぎず、十分な情報に基づいて保全活動の意思決定を下すことが困難でした。」

サンゴ礁の記録を増やす必要があったCitizens of the Great Barrier ReefのGRCは、観光客に協力を仰ぎ、グレート バリア リーフの数百地点で数千枚の調査画像が撮影されました。その後、市民科学者と呼ばれる世界中のボランティアが、海洋構造とサンゴ礁の健康状態に基づいて画像を分類しています。これらのデータに基づいて、クイーンズランド大学(UQ)とジェームズ クック大学(JCU)の研究者らがGBRオニヒトデ(COTS)管理チームと観光機関に助言し、これらは喫緊のサンゴ礁保全活動を優先させることができます。

Dellの新しいディープ ラーニング モデルはこのプロセスを加速させ、毎年の産卵期など、年間の重要な時期に最も必要な地域で速やかな回復を図るための市民科学者の取り組みに役立っています。

これまでの成功に基づいたモデル

Dellは、GRCの海洋保全活動向けとして、堅牢なデバイスと船上用のモバイル ネットワークを組み合わせたエッジ ソリューションを開発し、リアルタイムで画像を保存して、陸地に近づくと自動アップロードできるようにしました。市民科学者たちは、さまざまな部位に境界線を引いて、画像のラベリングを行っていました。

市民科学者たちが13,000枚を超える画像を手作業で分析するには多大な時間が必要になる上、正確性にも欠けます。2回目のGRCでは42,000枚の画像が集められ、その数は前回の調査から大幅に増加しました。この量の画像を分析するには、将来予想されるデータ セットの増加に合わせて拡張できるテクノロジー、つまりディープ ラーニング モデルが必要でした。ディープ ラーニング モデルを使用すれば、観光客はサンゴ礁にいる間に、写真を撮影して、一元管理された調査ポータルに写真をアップロードできます。ディープ ラーニング モデルは、境界線を手作業で引くよりも短時間で正確に各部位を検出します。市民科学者たちは、すでに検出されている境界線を利用して、サンゴの種類をラベリングするだけです。

これまでの調査では写真1枚の分析に7~8分かかっていましたが、ディープ ラーニングでは1分かかりません。初回のGRCでは画像13,000枚の確認に1,516時間かかっていましたが、新しいモデルでは200時間かからずに同じデータセットを分析できるため、市民科学者たちはより重要なラベリング作業に専念できます。

ディープ ラーニング セマンティック セグメンテーション モデルでは、モデルをトレーニングするためのDellのハイパフォーマンス コンピューティング(HPC)グラフィックス処理ユニット(GPU)高速化システムと、データを格納するためのDell PowerScaleシステムを採用しています。陸地にあるコンピューティング プラットフォームには、AIトレーニング クラスターと複数のAI推論エンジンをサポートするDell PowerEdgeサーバーが使用されています。

Dellは海洋専門家と協力して、144種のサンゴ礁生物を5つの主要な保全カテゴリーに分類し、これによりディープ ラーニング モデルは、各画像のサンゴを効率的かつ正確にカテゴリーに分類できるようになりました。

Dellのエッジ ソリューションとディープ ラーニング モデルは、再現性と拡張性に優れたソリューションです。Citizens of the Great Barrier Reefの創設者であるAndy Ridley氏は、Dellのテクノロジー ソリューションを活用したGRCを、世界各地のサンゴ礁に展開したいと考えています。オーストラリア以外の最初の試験地はインドネシアを予定しています。

シンガポールのDellデータサイエンス チームと協力し、一部モデルの継続的な改良と広範なコミュニティ テストが行われ、ベンチマーク基準が満たされていることが確認されました。Dellのエキスパートは、約3,000万のパラメーターがあるセマンティック セグメンテーション モデル、SegNetでモデルのトレーニングを行いました。こうして生み出された堅牢なディープ ラーニング モデルに、さらなるデータでトレーニングが行われ、継続的に改良されていきます。
保全のための協調的アプローチ

GRCは、Citizens of the Great Barrier Reefチーム、Dell、UQとJCUの研究者、Sahaj Software Solutions、そして専門知識を提供する市民科学者たちとの真のパートナーシップで成り立っています。

Citizens of the Great Barrier Reefチームとデル・テクノロジーズとのプロジェクトは、2023年6月公開のStanドキュメンタリーで取り上げられる予定です。

Citizens of the Great Barrier Reefの創設CEOであるAndy Ridley氏は次のように言っています。「この画期的なモデルのおかげで、何十万人もの人々がGreat Reef Censusとグレート バリア リーフの保全活動に参加してくださっています。市民科学とディープ ラーニング テクノロジーの融合は、21世紀に求められている保全活動のスケールアップに欠かすことのできないステップです。」

クイーンズランド大学のサンゴ礁生態学者であるPeter Mumby教授は次のように言っています。「Great Reef Censusは、市民と非常にハイエンドなテクノロジーの両方を核として設計されているため、サンゴ礁の回復に役立つオニヒトデの駆除活動を計画する意思決定者に、情報をタイムリーに提供しています。」

ジェームズ クック大学のKatie Chartrand博士は次のように言っています。「Great Reef Censusは、他のプログラムでは達成するのが困難な規模で調査データを提供する点が優れています。重要なデータのギャップを埋め、現在の長期的プログラムから外れているサンゴ礁を対象としていて、これまでの観察活動を補っています。これは、GBR全域で年々変化する状況に向き合う私たちにとって非常に重要なことです。」

デル・テクノロジーズのオーストラリアおよびニュージーランド地域の上級副社長兼マネージング ディレクターであるAngela Foxは次のように言っています。「気候変動に対して、私たち全員が行動する必要があります。デル・テクノロジーズは、環境、社会、ガバナンスの数値目標を設定し、同じ情熱と緊迫感を持つ組織と提携しています。当社は、初回のGreat Reef Censusで、貴重なデータをリアルタイムで収集できるテクノロジー ソリューションを開発しました。Citizens of the Great Barrier Reefとの革新的なパートナーシップの次の段階として、当社は、チームの保全活動の規模を拡張し、質の高いデータに簡単にアクセスできるようにするためにディープ ラーニングの力を活用しています。その目的は、国にとっても世界にとっても非常に貴重な自然の宝庫の一つを守る闘いを支援することにあります。」

デル・テクノロジーズについて

デル・テクノロジーズ(NYSE:DELL)は、デジタルの未来を築き、働き方、生き方、遊び方を変革しようとする組織と個人を支援します。業界で最も広範かつ革新的でデータ時代にふさわしいテクノロジーとサービスのポートフォリオをお客様に提供しています。

Citizens of the Great Barrier Reefについて

Citizens of the Great Barrier Reefは、グレート バリア リーフ全域を活動範囲とする21世紀の保全活動団体です。この組織の使命は、一流の科学知識と、意義ある市民活動、デジタル イノベーションを組み合わせて、世界中のサンゴ礁が直面している深刻化する脅威に対処するため、人々の力でサンゴ礁の保全を推進し、その規模を拡大することです。Citizensチームには、数千年にわたりサンゴ礁と関わってきた人々や、この自然の驚異の象徴を未来の世代のために保全し、保護することに共通の情熱を抱いている世界各地の人々から、さまざまな専門知識がもたらされています。

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