• お客様の事例

    株式会社トムス・エンタテインメント

    • APEX Backup Servicesを新たに導入しバックアップのSaaS化に成功 より効率的なクラウドバックアップ環境を確立 Dell VxRailによるインフラ最適化も実現

    • ビジネス課題

      アニメーション総合プロデュース会社の株式会社トムス・エンタテインメント(以下 トムス・エンタテインメント)では、各種の社内業務システムを全社内仮想化基盤に集約している。しかし、そのバックアップシステムにしばしばトラブルが生じており、エンジニアの負担ともなっていた。そこで同社では、全社仮想化基盤の更新を機に全面的な見直しに着手。クラウドベースの先進バックアップ環境の導入を目指した。

    • 導入効果

      • 従来は最大約1ヶ月掛かっていたバックアップエラーへの対処時間がゼロに
      • データセンターに設置したローカルバックアップシステムの撤廃に成功
      • 全社仮想化基盤のシンプル化とスケーラビリティ向上を実現
      • 社内エンジニアがDXへの取り組みに注力できる環境を実現
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        「エース級のエンジニアがバックアップやインフラの運用管理に時間を取られるのは非常にもったいないと感じていただけに、APEX Backup Service とVxRailで環境をシンプル化できたことは大きな成果といえます」

        株式会社トムス・エンタテインメント
        コーポレート本部 情報システム部長
        兼 インフラサポート課長
        河瀬 彩紀氏

      • 株式会社トムス・エンタテインメント
        コーポレート本部 情報システム部長
        兼 インフラサポート課長
        河瀬 彩紀氏

    • 日本アニメーション産業のリーダーとして幅広い領域にわたるビジネスを展開

      世界中で数多くのファンを獲得している日本のアニメーション産業。そのパイオニアとして、半世紀以上にわたり数々のヒット作品を創り出してきたのがトムス・エンタテインメントだ。これまで同社が手掛けた作品数は、累計440作品・エピソード数12,000話以上にも達する。現在ではアニメーション制作事業、映像ライセンスビジネス、マーチャンダイジングビジネスの3領域で事業を展開。「アニメーションの総合プロデュース企業」として、さらなる飛躍を遂げようとしている。

      さらに、もう一つ見逃せないのが、日本アニメーション産業全体の発展にも貢献しようとしている点だ。10年、20年先も日本アニメが世界を席巻し、輝ける未来を創れるよう、「アニメSDGs」というビジョンを策定。「作り方改革」「産業構造改革」「人づくり改革」の3本柱を軸に、持続可能な日本アニメ産業の実現に向けた様々な取り組みを推進している。

    • 社内インフラにまつわる様々な負担がDXに向けた取り組みの阻害要因に

      同社の情報戦略を担う情報システム部門でも、先端デジタル技術を用いた業務革新に意欲的に取り組んでいる。トムス・エンタテインメント コーポレート本部情報システム部長兼インフラサポート課長 河瀬彩紀氏は「日本のアニメ業界は長い歴史と伝統を有していますが、それ故にアナログな業務も数多く存在します。とはいえ、業界固有の慣習もありますので、市販のパッケージなどで簡単にデジタル化できるものでもありません。そこで、社外のスタートアップ企業とも連携し、社内のDXを加速する取り組みを進めています」と説明する。

      その中では、情報システム部門自身が変わっていく必要性も強く感じたとのこと。「スタートアップの方々は、インフラや各種ツール含めてクラウドを使うことが大前提。インフラ構築も『Infrastructure as Code』の考え方に基づきコード一発で済ませますし、構成管理にExcelを使うようなこともありません。一方、これまで当社ではアプリケーション担当、インフラ担当といった具合に、個々の技術領域に閉じた形で専門性を磨いてまいりました。しかし、こうしたやり方でのままでは、スタートアップの方々のスピード感にいずれ置いて行かれることになります」と河瀬氏は振り返る。

      こうした経緯から、社内のエンジニアに対してフルスタックの能力を身に付けることを望んでいるとのこと。しかし、その取り組みを阻む壁となっていたのが、社内インフラの構築・運用管理作業だ。「たとえば、従来の環境では、バックアップシステムに原因不明のエラーが頻発していました。エンジニアにはもっと付加価値の高い業務に取り組んでもらいたいにも関わらず、一度こうしたトラブルが起きるとその解決に貴重なリソースを割かざるを得ません。これは大変もったいないことだと感じていました」と河瀬氏は続ける。

    • APEX Backup ServicesでSaaSによるバックアップを実現

      ちょうど、全社仮想化基盤が更新時期を迎えたことから、このような課題を抜本的に解消する新たなインフラの導入に着手。その切り札として採用されたのが、デル・テクノロジーズが提供するクラウドバックアップサービス「APEX Backup Services」(導入当時製品名称︓Dell PowerProtect Backup Service)、並びにハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCI)製品「Dell VxRail」(以下、VxRail)である。

      元々従来のバックアップ運用では、まず一度データセンター内のバックアップストレージにバックアップを行い、その後クラウドへのアーカイブを行っていた。「このような2段階の仕組みを構築していたのは、データセンターの被災や大規模障害などにも備えるためです。しかし、結局5年の間リストアしたことは一度もなく、ローカルでバックアップする意味が感じられませんでした。そこで今回のリプレースに際しては、全社仮想化基盤からそのまま直接クラウドにバックアップしたいと考えました」と河瀬氏は語る。

      もっとも、相談を持ち掛けた他のベンダーからは、従来通りの2段階バックアップの提案しか返ってこなかったとのこと。こうした中、唯一同社の要件を満たせたのが、デル・テクノロジーズが提案したAPEX Backup Servicesであった。このソリューションはSaaSベースのデータバックアップサービスであり、多種多様なワークロードのバックアップを一元的に管理・実行することができる。SaaSであるため、バックアップ容量もオンデマンドで自在に拡張することが可能。もちろん、ハードウェアの導入・構築作業なども一切必要ない。「我々が望むようなソリューションはまだ世の中に存在しないのかと考えていただけに、APEX Backup Servicesの提案はまさに渡りに船でした」と河瀬氏は語る。

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        「今後はDXに向けた取り組みに注力し、ビジネスの成長に貢献していきたいと考えています」

        株式会社トムス・エンタテインメント
        コーポレート本部 情報システム部長
        兼 インフラサポート課長
        河瀬 彩紀氏

    • わずか5分で設定を完了 エラーへの対応も不要に

      実際の導入プロセスでも、SaaSならではのメリットが存分に発揮された。「仮想サーバー群をVxRailによる新仮想化基盤に移行した当日から、すぐさまクラウドへのバックアップが開始。設定作業も5分くらいでしたので、ほとんど手間は掛かりませんでしたね。APEX Backup Servicesにはソース側に重複排除機能が備わっているため、バックアップ時間も以前より短縮されています」と河瀬氏は満足げに語る。

      ユーザーインターフェースの使い勝手も高く評価しているとのこと。河瀬氏は「画面構成やメニューがシンプルなので、誰でも簡単に使いこなせます。ツールを覚えるための教育コストが掛かりませんし、運用管理が属人化してしまう心配もありません」と続ける。

      ちなみに旧バックアップシステムでは、エラーを解消するためにシステムの再起動が必要になるケースがあった。とはいえ、再起動は月次メンテナンスの際にしか行えないため、翌月まで一ヶ月待たなくてはならなかったという。「その点、APEX Backup Services導入後は、チェックボックスの設定一つでこのエラーが解消。以後、トラブルに悩まされることもなくなっています。貴重なエンジニアのリソースを障害対応に割かなくて済むようになったことは、我々にとっても大変大きい」と河瀬氏は語る。

    • Dell VxRailでインフラをシンプル化 運用管理やリプレース作業も容易に

      一方、新仮想化基盤のインフラとして導入されたVxRailも、様々な改善効果をもたらしている。「3 Tier構成だった基盤をVxRailに変えたことで、環境が非常にシンプルになりました。移行を含めて2か月半程度で導入できた上に、新規ノードを追加する作業も簡単に行えます。旧環境ではサーバー1台追加するだけでもSI作業が必要でしたから、スケーラビリティについても雲泥の差があります」と河瀬氏は語る。

      さらに大きいのが、運用管理やインフラ更新に伴う負担を大きく軽減できた点だ。デル・テクノロジーズのサポートを活用することで、ファームウェア等のバージョンアップ作業を自前で行う必要もなくなる。次回リプレース作業についても、新旧ノードの入れ替えだけで済ませることが可能だ。「こうした作業にエース級の人材を充てるのは大きな損失だと感じていただけに、非常に大きな成果がありましたね」と河瀬氏は語る。

    • ビジネスのトップラインに立ち新たなイノベーションの創出を目指す

      APEX Backup Services+VxRailによる新環境が稼働したことで、同社が進めるDXにも大きな弾みがつくことと期待されている。「今後はデータアナリティクスなどの業務にも力を入れていきたい。

      情報システム部門がビジネスのトップラインに立つことで、新たなイノベーションの創出に寄与していければ」と抱負を語る河瀬氏。その取り組みを、デル・テクノロジーズもしっかりと支援していく。

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    • お客様名 : 株式会社トムス・エンタテインメント 

      業種 : 映像制作

      場所 : 日本/東京