• お客様の事例

    グラフィソフトジャパン株式会社:ワークステーション事例

    • BIMソフトウェア「Archicad」を快適に稼働できる推奨デバイスにDell Precisionワークステーションを選定

      「素晴らしい建築を創造するチームの力になること」をミッションに掲げるグラフィソフト。建築CADソフトウェアの開発・販売を手掛ける同社の主力商品であるBIMソフトウェア「Archicad」は世界100カ国以上に展開しており、多くの設計者、建設関係者に使用されている。日本にて同ソフトウェア開発・販売・サポートを行うグラフィソフトジャパンでは、ソフトウェアの快適な稼働環境としてデル・テクノロジーズのワークステーション「Dell Precisionシリーズ」を採用。同社の販売、サポートを含む幅広い業務で活用されている。

    • ビジネス課題

      グラフィソフトジャパンがArchicadの販売活動を進める中で、同ソフトウェアのデモやプレゼンテーションを行うためには、相応のスペックを持つデバイスが必要となる。以前は社員が自由にデバイスを選んでいたが、Archicadを快適に動かすことができるモバイルワークステーションへの標準化を新たに検討。また同社の顧客企業がArchicadを高いパフォーマンスで稼働できるデバイス環境を提案できるようにすることも課題の1つであった。

    • 導入効果

      • Dell Precisionシリーズの導入でArchicadのデモンストレーションやプレゼンテーションがスムーズに。
      • 高性能なモバイルワークステーションを採用したことでリモートワークにもスムーズに移行。場所を選ばずオンラインでの商談や顧客サポートを遂行。
      • ベンチマークテストを実施し、顧客企業にArchicadの推奨動作環境を提示するとともに推奨PCとしてDell Precisionワークステーションを選定
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        「自宅や外出先においてもArchicadのパフォーマンスを発揮できるモバイルワークステーションは、リモートワークには欠かせないツールです。お客様向けのプレゼンテーションやイベント配信、オンラインミーティングなどで幅広く活用しています」

        グラフィソフトジャパン株式会社
        カスタマーサクセス
        BIMコンサルタント
        メイヤー エミル氏

      • グラフィソフトジャパン株式会社
        カスタマーサクセス
        BIMコンサルタント
        メイヤー エミル氏

      • グラフィソフトジャパン株式会社
        カスタマーサクセス
        テクニカルサポートエンジニア
        秋本 遥氏

    • 1982年にハンガリーのブタペストで創設されたグラフィソフトは、世界的な建築CADソフトウェアメーカーだ。1984年にPC向け3D CADソフトウェア「Archicad」を開発し、後にBIM(Building Information Modeling)と呼ばれるコンセプトを先駆けて展開。同社の代表的製品となったArchicadは、建築業界を筆頭にBIMの導入が広がりつつある中、グローバル市場においてトップクラスのシェアを獲得。現在は100を超える国・地域において、20万社以上の企業に導入されている。

      このArchicadに関して、日本国内にて開発・販売・およびサポートを行っているのが、1996年に日本法人として設立されたグラフィソフトジャパン株式会社(以下、グラフィソフトジャパン)である。従来は2次元の設計が主流だった国内の建築業界において、3Dを活用したBIMの普及活動も担ってきた。世の中でBIMが広がっていく中、社内でもより高機能なデバイスが求められるようになったことを背景に、同社ではデル・テクノロジーズ(以下、デル)のワークステーション「Dell Precision」シリーズを採用。顧客に対するArchicadのプレゼンテーションやデモンストレーション、カスタマーサポートの場面をはじめ、さまざまな業務で活用している。

    • 建築プロジェクトの効率化を実現する「Archicad」

      BIMの特徴は、建築物などをコンピューター上の3D空間で構築し、企画・設計から施工、維持管理にいたるまで、プロジェクトに必要な多様な情報を一元管理できることにある。3Dで設計すると同時に2次元の図面情報が作成され、1つの情報を修正すると関連する情報が連動して修正されるため、設計・施工における進行管理が容易にできるというメリットがある。また、BIMは建具のメーカーや価格などの情報も保持できるため、予算管理なども可能だ。設計や施工の効率化を図れることから、建築業界のDXという観点からもBIMに対する注目度は大きい。

      グラフィソフトジャパン カスタマーサクセス テクニカルサポートエンジニアである秋本遥氏は、Archicadの魅力をこう語る。

      「Archicadは、IFCなどの建築業界での共通データフォーマットを使用することで、幅広いBIMソフトウェア間でデータ交換を行いやすいことが強みの1つです。例えば、3Dの意匠設計をArchicadで行い、VR・ARなどに展開していく場合はArchicadのデータを共有してスムーズに作業を進めることが可能です。メーカー横断的に、さまざまなBIMソフトウェアを連携できるOPEN BIMは、Archicadが選ばれる理由でもあります」

      さらに同社のカスタマーサクセスBIMコンサルタントを務めるメイヤーエミル氏は以下のように続ける。

      「まず使っていただけると分かるのですが、直感的に立体を描けるのがArchicadの魅力です。私は大学などの教育機関でArchicadを教える機会もありますが、難しい操作法などを覚えなくても、すぐに使えるようになる点で学生の皆さんからも好評を得ています」

    • 効果的なプレゼンにはハイスペックなマシンが欠かせない

      グラフィソフトジャパンでは、以前は社員が使いたいメーカーのPCを選んで使う環境であったが、2018年にDell Precisionワークステーションを社内の標準デバイスに選定。多くのメンバーが、モバイル型のDell Precisionワークステーションを活用している。

      「トラブルが発生した際などにも機種を統一したほうが管理しやすい面から、リプレースに向けて複数メーカーのワークステーションが検討されました。CADに強みを持つグラフィックボードQuadroを搭載している点、パフォーマンスとコストのバランスの良さなどが評価され、Dell Precisionワークステーションが採用されることになったのです」(メイヤー氏)

      BIMコンサルタントとして、大手ゼネコンや設計事務所などに対してArchicadの製品紹介やプレゼンテーションを行うメイヤー氏は、Dell Precisionワークステーションについて次のように語る。

      「Archicadの魅力を効果的に伝えるためには映像が美しく、ソフトウェアをスムーズに動かせるハイスペックなマシンを活用することが欠かせません。私の業務では、訪問先やイベント配信などで用いることも多いため、高いパフォーマンスを発揮できると同時に、気軽に持ち運べることもDell Precisionモバイルワークステーションを評価するポイントです。スペック要件としてはほかにもゲーミングPCを使うという選択肢もあったのですが、Dell PrecisionモバイルワークステーションはそうしたPCに比べてスタイリッシュなデザインで、ビジネスシーンで使いやすい点も気に入っています」

      主にオンラインでArchicadに関する顧客サポート業務を行う秋本氏は、「お客様からデータをいただいて、実際に開きながら検証を行うこともあるのですが、大規模案件の場合には4GBを超えるような重いデータの場合もあります。そうしたBIMデータを開きながら、スムーズにサポート対応を行えるのも圧倒的な処理速度を持つDell Precisionワークステーションを利用するメリットだと感じています」と、日々の使用感を語る。

    • マルチタスクに対応できるDell Precisionワークステーションは業務に欠かせないツール

      ワークステーションを導入する際に検討事項となるのが、タワー型やラック型を選択するか、モバイル型を選択するかだ。グラフィソフトジャパンでは、BIMコンサルタントが顧客企業でプレゼンテーションを行う場合や、営業担当の社員が日本各地を移動することを考慮して、モバイル型のワークステーションを導入している。

      2020年初頭に新型コロナウイルス感染症が報告された後、同社も社員の感染リスクを減らすため、迅速にリモートワークへの切り替えを推進。その後も、オンラインでの商談やイベント配信を活用しながら、特に問題なく業務を続けている。

      「コロナ禍で、直接お客様にお会いすることや、大規模なイベントを開催することが難しくなりました。そうした状況の打開策としてオンラインでのイベント開催、Archicadのプレゼンテーションなどを行っています。オンラインイベントを開催する場合は、Microsoft Teamsにつないで数百人の皆さんに配信するだけでも一定以上のスペックが必要ですし、Archicadを立ち上げると同時に、建築ビジュアライゼーション用のリアルタイムレンダリングソフトなどを立ち上げながらコメントするようなマルチタスクになるケースも多いです。CPUのコア数が足りませんと配信自体ができませんので、私にとってDell Precisionワークステーションは業務に欠かせないツールとなっています」(メイヤー氏)

      モバイル型のデバイスで重要なデータを取り扱う場合、セキュリティ面で課題になることが多いが、Dell PrecisionワークステーションはWindows Hello の顔認証に対応しているため、ログインのセキュリティを強固にできることも大きな安心材料になっているという。

      オンラインでのビジネスが当たり前になる中で、商談時の画質・音声は製品の魅力を伝えるために必要な投資といえる。その点で、「Dell Precisionワークステーションは高品質な内蔵マイク・スピーカーを搭載しており、オンラインでも十分なコミュニケーションが取れるので顧客サポートがしやすい」と秋本氏は評価する。Archicadのようなソフトウェアの場合、動かすデバイスのパフォーマンスが良いことは顧客の満足度向上につながるため、最適な環境を整えることは重要だ。

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        「主にArchicadのサポート業務を行っていますが、大規模な建築案件の場合は4GBを超える建築データを取り扱うこともあります。そうしたBIMデータを開きながら、スムーズに問い合わせ対応ができるのは、Dell Precisionワークステーションならではの価値だと感じています」

        グラフィソフトジャパン株式会社
        カスタマーサクセス
        テクニカルサポートエンジニア
        秋本 遥氏

    • 顧客がArchicadを活用する推奨マシンとしてDell Precisionワークステーションを選定

      BIMソフトウェアのArchicadを販売していく際に、課題となるのは顧客企業が活用するマシンのスペックだ。ワークステーションであればArchicadは問題なく使えるが、一般的なPCなどで利用する際、スペックによっては「ソフトの動きが遅くて使いにくい」という印象を持たれてしまうこともある。実際に「ソフトが思うように動かない」と問い合わせを受けることもあるという。そうしたリスクを減らすために、同社では実機によるベンチマークテストを行った上で、プロジェクト規模に応じてCPU、メモリ、ストレージ、グラフィックスカード、ディスプレイ解像度などの基準を定めている。また、テスト結果を踏まえて、Dell Precisionワークステーションをグラフィソフトジャパン推奨デバイスの1つとして位置づけている。

      「初めてBIMを導入しようとするお客様にArchicadのメリットを実感していただくためには、高いパフォーマンスを発揮できるデバイスが欠かせません。2D CADで必要なスペックと、3Dデータを扱うBIMソフトウェアでは必要なスペックが大きく異なるからです。一般的なスペックのデバイスでもArchicadを動かすことは可能ですが、ストレスなく作業を進めるためには、一定以上のスペックを持つデバイスを選んでいただければと思います」(メイヤー氏)

      2022年に行われたArchicadの検証では、モバイル型ワークステーションである17インチの「Dell Precision 5770」、17インチの「Dell Precision 5570」、14インチの「Dell Precision 5470」を使用。3機種とも想定上のパフォーマンスを発揮した。特にCPUの処理速度に関しては4世代前のモデルと比較して2~3倍ほどの数値を記録し、レンダリングなどにかかる時間を大幅に短縮する結果となった。

      「Dell Precisionモバイルワークステーションは冷却性能が優れているため、高度なパフォーマンスと筐体温度の上がりにくさを両立できる点は使いやすさにつながっています。また、プレゼンテーションやイベント配信などの際にワークステーションの音は気になるものですが、専用のオプティマイザーを利用して静音設定にすることで、話しやすい環境を整えられる点も便利です」(メイヤー氏)

      「先ほどOPEN BIMの話をさせていただきましたが、Archicadで作成したデータを用いたVR・ARなどのコンテンツの制作や、日照や風向などの環境シミュレーションを行うといったケースでは、より高いスペックが必要になります。そうしたOPEN BIMの活用を踏まえたマシンとしても有用ではないかと思います」(秋本氏)

    • BIMの活用を広げていくことで建築業界のDXに貢献していきたい

      「Building Together(共に築く)」ことで、今よりも素晴らしい世界にすることを目標に掲げるグラフィソフト。初めてBIMを導入するという企業に向けて、同社が開発したトレーニングプログラムである「BIM Classes」を提供するなど、知識の共有にも力を入れている。また前述したように、メイヤー氏は学生へArchicadを講義する機会があり、そこでも好意的な反応が得られているようだ。

      「私自身、学生の時にArchicadを使って建築設計の楽しさを知りました。そうした経験もあり、多くの人にArchicadやBIMの魅力を伝えていきたいと考えています。BIMというと最初は難しいイメージを持つ方も多いですが、学生の皆さんからも『Archicadは使いやすいから設計が楽しい』といった声をいただけるのはありがたいことです」

      同社では、将来を担う学生がBIMに親しめるように、無料でArchicadを使えるプログラムを実施している。建築学科だけではなく、デザイン学科や映像学科など、幅広い学科の学生がBIMを学んでいるという。「講義を受けた学生の皆さんが就職した際には、割引価格でArchicadを購入できる、採用企業側にもメリットがあるキャンペーンを実施しています。BIMを活用できる人材を増やすことで、建築業界のDXに貢献していくことができればと考えています」と秋本氏は話す。

      「日本のGDPを上げていくためにも、よりスマートな働き方が必要だと思います。そういった意味では、ArchicadをはじめとしたBIMの活用は、建築業界のワークスタイルを変革していくものだと信じています。今後、AIやデジタルツインなどのテクノロジーがさらに進化していくことで、ワークステーションに求められるパフォーマンスも高まっていくでしょう。その中で、デルには時代の変化やニーズに合わせて、最適なデバイスの提供をしていただければと願っています」(メイヤー氏)

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    • お客様名 : グラフィソフトジャパン株式会社

      業種 : ソフトウェア

      場所 : 日本/東京