• お客様の事例

    株式会社サイバーエージェント

    • Dell EMC PowerScale(Isilon)を導入し、ビジネスのスピードを加速する3DCG制作用ストレージ基盤を実現

      サイバーエージェントとグループの3DCG制作会社であるCyberHuman Productionsは、デル・テクノロジーズのスケールアウトNAS「Dell EMC PowerScale(Isilon)」を採用し、3DCG動画広告やAR/VRなどの3DCGコンテンツの制作に用いられるストレージ基盤を全面刷新した。これにより、大容量3DCGデータを余裕で格納できる環境を確立。新たなビジネス/サービスの創出にも即応できる環境を実現した。

    • ビジネス課題

      メディア、インターネット広告、ゲームなど、幅広い領域でビジネスを展開するサイバーエージェントグループ。グループで3Dスキャニングから3DCG動画広告の制作・運用やAR/VR等の3DCGコンテンツの制作を担うのがCyberHuman Productionsだ。以前は汎用のIAサーバーを用いたストレージシステムを業務に利用していたが、事業規模やサービスの拡大に伴って急激に容量が逼迫。パフォーマンス面でも課題を抱えていたこともあり、より高い性能・信頼性と柔軟な拡張性を備えたストレージ製品の導入に着手した。

    • 導入効果

      • ストレージ基盤のパフォーマンスが約30~40%改善
      • アクセス集中の際にも、レスポンス低下なし
      • ストレージ運用管理の効率化・省力化を実現
      • 今後の新たなビジネス/サービスにもスピーディな対応が可能に
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        Dell EMC PowerScale Isilonを新たに導入したことで、ストレージ基盤の容量は従来の約2倍にアップ。パフォーマンスも約30~40%程度改善することができました。利用状況の把握や分析なども容易に行えますので、今後の増設計画もスムーズに立てられます。

        株式会社サイバーエージェント
        CIU(CyberAgent Group Infrastructure Unit)
        インフラエンジニア
        高橋大輔氏

      • 株式会社CyberHuman Productions
        株式会社サイバーエージェント
        開発エンジニア
        山塚博翔氏

      • 株式会社サイバーエージェント
        CIU(CyberAgent Group Infrastructure Unit)
        インフラエンジニア
        高橋大輔氏

    • サイバーエージェントグループの3DCG制作会社であるCyberHuman Productionsでは、企業向け3DCG広告動画や人体を3Dモデル化した「デジタルヒューマン」、スポーツDX(デジタルトランスフォーメーション)向けコンテンツなど、多彩な3D映像作品の制作を行っている。

      今回同社は、親会社であるサイバーエージェントと協力して3DCG制作用ストレージ基盤をスケールアウトNAS「Dell EMC PowerScale(Isilon)」で再構築。大容量かつ大量の3DCGデータを余裕で格納できる環境を実現すると同時に、今後の新たなビジネス/サービスにもスピーディに対応できるスケーラビリティを確保した。

    • 卓越したクリエイティブ力を活かしハイクオリティな3DCG映像を生み出す

      1998年よりインターネット広告事業に参入し、この分野で国内トップシェアを誇るサイバーエージェント。現在では、未来のテレビ「ABEMA」や国内最大規模のブログサービス「Amebaブログ」、スマートフォン向けゲームなど、幅広い領域へとグループでビジネスを拡大している。サイバーエージェントグループでハイクオリティな3DCG動画広告の制作・運用を行っているのが、「技術(Cyber)」と「人間(Human)」の融合を目指すクリエイター集団、CyberHuman Productionsだ。

      CyberHuman Productionsの開発エンジニア山塚博翔氏は「当社では、スキャニングから3Dモデリング・モデルデータの最適化、モーションキャプチャ、アニメーション、レンダリング、実写とのコンポジット(合成)に至るまで、すべて一貫した対応が可能です。この強みを最大限に活かし、企業向けの3DCG広告やイベント向け動画など、様々な映像の制作を担当しています。また、最近では、著名人や有名人をスキャンし、3DCG化するデジタルヒューマン事業や、既存の制作手法にとらわれない制作を行うバーチャル撮影、バーチャルイベント・ライブ事業、スポーツ観戦のDXを目指すスポーツDX事業など、新しいサービスも次々に展開しています」と説明する。

    • 制作業務用ストレージ基盤の環境改善が大きな課題に

      このように躍進を続ける同社だが、制作を支援する環境の面では課題を抱えていた。それは3DCG制作業務に利用するストレージ基盤の能力不足である。「当社では、この2年ほどの間に急速に事業が拡大しています。しかし、これまで利用していたストレージ基盤は、グループの別部門で使用していたWebサービス向けのサーバー筐体を3DCG用のストレージサーバとして転用したものでした。旧来のRAIDを用いたストレージであったため、容量が不足しても簡単に拡張することはできませんでした。また、パフォーマンスも不足しており、クリエイターからは、しばしばクレームが寄せられていました」と山塚氏は振り返る。

      同社は、3DCG動画広告制作に特化した企業であった株式会社CGチェンジャーが、同じグループ会社で世界有数の3Dスキャニング技術を有していたAVATTAと手を組み、新たに社名変更し、3Dスキャニングから3DCG動画広告の制作・運用を行う会社として再始動した経緯がある。さらに、ビジネスの成長に伴って、サービスやクリエイターの数も急速に増加。3DCG制作を前提としていない汎用のIAサーバーをベースとしたストレージでは、性能・容量・拡張性など、すべての面で限界があったのである。

    • 高い性能と柔軟な拡張性を評価しDell EMC PowerScale(Isilon)を採用

      こうした状況を打破すべく、サイバーエージェントとCyberHuman Productionsでは、共同で新たなストレージ基盤の導入に着手。その結果、新たに採用されたのが、デル・テクノロジーズのスケールアウトNAS「Dell EMC PowerScale(Isilon)」(以下、PowerScale)である。グループのインフラ整備を担当するサイバーエージェントCIU(CyberAgent Group Infrastructure Unit)インフラエンジニア高橋大輔氏は、「最終的にはPowerScaleを含む2製品を次期ストレージの候補として選定しました。デル・テクノロジーズのパートナーで3DCG業界での実績も多い株式会社ブロードバンドタワーからPowerScaleの評価機をお借りし、実際の業務を想定した比較・検証作業を行いました。その結果、PowerScaleの方が優れていると判断し、導入を決定しました」と語る。

      事前検証で高く評価されたポイントとしては、まず優れたパフォーマンスが挙げられる。「ピーク性能の高さを謳い文句にする製品は他にもありますが、PowerScaleは長時間にわたって高負荷を掛け続けても安定して動作しました。また、大量の同時アクセスが集中した際にも、レスポンスが低下することがありませんでした」と高橋氏は説明する。さらに、もう一つの決め手が、増設・拡張を行う際の柔軟性の高さだ。高橋氏は「比較した他社製品には、同一モデル、あるいは同一構成の組み合わせでないと増設が行えないなど、さまざまな制約がありました。その点、PowerScaleは異なるモデルや構成の組み合わせでも増設が行えますので、その時々のニーズに合わせて最適な構成を組むことができます」と続ける。

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        当社のビジネスは非常に動きが速いので、ITインフラにも俊敏さが強く求められます。その点、高い性能と柔軟な拡張性を備えたDell EMC PowerScale Isilonを導入したことで、今後の新たなビジネス/サービス創出にもスピーディに対応できるようになりました。

        株式会社CyberHuman Productions
        株式会社サイバーエージェント
        開発エンジニア
        山塚博翔氏

    • ストレージの容量を約2倍に増強。パフォーマンスも30~40%アップ

      PowerScaleによる新ストレージ基盤は、2021年2月末より本番稼働を開始。具体的な製品としては、ハードディスクをメインにSSDをキャッシュとして活用するハイブリッドタイプの「Dell EMC Isilon H400」×4ノードが導入されている。これにより、ストレージ基盤の容量は従来の約2倍に引き上げられ、懸案であった容量不足の問題は解消されることとなった。また、ストレージの処理能力についても大幅な改善が見られているとのこと。山塚氏は「以前は同じオフィス内に設置していたストレージを、今回からデータセンターに移設したため、WAN越しでも性能が出るか多少心配な面もありました。しかし、結果的には全くの杞憂で、以前より約30~40%程度パフォーマンスが向上しました。現場のクリエイターからも、『はっきりと体感できるくらい速くなった』との声が挙がっています」と満足げに語る。特に広告事業が繁忙期を迎える時期には、ストレージが安定して動作するか毎年不安を感じていたという。しかしPowerScaleを導入してからは、余裕で乗り切れるようになったとのことだ。

      現在は常時20~30名のクリエイターがPowerScaleを用いて制作業務を行っているほか、20台のレンダリングサーバーも接続されている。ちなみに、サイバーエージェントでは、人体の3Dスキャンや撮影・編集などを行うための『カムロ坂スタジオ』を運営しているが、ここで作成された3Dモデルデータなどもより容易に活用できるようになった。山塚氏は「以前はカムロ坂スタジオと渋谷オフィスの制作環境がつながっていなかったため、作成したデータを一度クラウドに上げるなどしてデータをやりとりしていました。しかし現在では、PowerScale上に置いたデータをすぐに制作業務に活用できますので、クリエイターの生産性も大きく向上しました」と語る。従来は制作用にある程度軽くしたデータを転送していたが、クリエイターからはスキャン後の生データをそのまま使いたいとの要望も寄せられていた。今回PowerScaleを導入したことで、こうした要望にも応えやすくなったとのことだ。

    • 今後の新たなサービスにもスピーディな対応が可能に

      加えて運用管理の面でも、大きな改善効果が生まれている。高橋氏は「旧ストレージはLinuxとその他のオープンソースソフトウェア(OSS)をただ組み合わせただけだったため、ユーザーアカウント一つ作成するにも我々全社インフラチーム側でのコマンド操作などの対応が必要でした。これも現在では、PowerScaleの管理画面で簡単にアカウントの追加や権限の設定などを行えますので、相当な負荷軽減につながっています」と語る。PowerScaleの専用監視・分析ツール「InsightIQ」も、運用管理の効率化に大きく貢献。高橋氏は「いつぐらいに容量が一杯になりそうか、一人で大量に容量を消費しているユーザーはいないかといった情報が、一目で把握できるのは非常に便利ですね。おかげで今後の増設計画などもスムーズに立てられるようになりました」と続ける。PowerScaleのスナップショット機能や圧縮・重複排除機能などについても、今後必要に応じて活用を検討していくとのことだ。

      このように多くの成果を上げた今回の取り組みだが、とりわけ大きかったのがビジネスのスピードを最大化できた点だ。「そもそも現在展開中のサービスの中には、PowerScaleの導入を検討していた頃にはまだ存在していなかったものも多数あります。当グループのビジネスは非常に動きが速いので、今後も新たなサービスが次々と生まれてくることになります。ITインフラがその足かせになるようなことは許されませんので、スケーラブルなストレージ基盤を実現できた意義は非常に大きいです」と山塚氏。また、高橋氏も「どのサービスでも大量のデータを用いますので、今後も容量は増え続けていくことが予想されます。PowerScaleにはアーカイブ用途向けの製品などもありますので、今後はそうしたものの活用も検討していきたいです。ビジネスチャンスを逃すことのないよう、デル・テクノロジーズとブロードバンドタワーの提案には期待しています」と述べた。

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    • お客様名 : 株式会社サイバーエージェント

      業種 : 映像制作

      場所 : 日本/東京

      • ソリューション

        • ハードウェア
        • サポート
      • ブロードバンドタワー自営保守サービス(24時365日)