長期化するコロナ禍でPCの選択基準が変化
近年、コロナ禍でデスクトップPCを改めて見直す動きが出てきた。その背景には、今回のコロナ禍が短期間で収束せず、長期化していったことが挙げられる。
当初、社内で行っていた業務を在宅で行うには、持ち運びしやすいノート型が最適だと判断された。もちろん、モビリティー重視ならノートPCが最適だが、複数のアプリケーションを立ち上げたり、いくつものファイルを確認したりするような作業であれば、デスクトップPCのほうが、生産性は向上する。デスクトップPCの方が、高い性能を確保しやすく、キーボードやディスプレイの選択肢も広いからだ。どうせ持ち運ばないのであれば、在宅でもデスクトップPCを使いたいと考えるのは、自然な流れだといえるだろう。
また最近ではコロナ禍が一段落した後のことを考え、ハイブリッドワークの検討も進んでいる。その一環として、より快適で生産性が高く、従業員同士のシナジーも生み出しやすい、新たなオフィスの形を模索する企業も多い。これに伴い、新しいオフィス空間に適したPCとして、デスクトップPCを採用するケースも少なくない。
ここで注目したいのが、単にデスクトップPCへの回帰が起きているだけではないという点だ。実はデスクトップPCを選択するポイントも、変化しているのである。では具体的にどのようなポイントがあるのか。次ページ以降でそのポイントとともに最新PCを紹介したい。
デスクトップPCの選択時に重要な「3つのポイント」とは
デル・テクノロジーズ株式会社
クライアントソリューション統括本部
フィールドマーケティング アドバイザー
若杉 歌乃氏
ハイブリッドワークが進むようになったとき、具体的にどのようなことに留意すべきなのか。「それには3つのポイントがあります」と語るのは、デル・テクノロジーズの若杉 歌乃氏だ。
まず1つ目が「多様な設置スペースへの対応」である。「自宅にデスクトップPCを設置する場合、オフィスとは異なり、十分なスペースが確保できないことが一般的です。場合によってはリビングやダイニングのテーブルに置かざるを得ないケースも少なくありません。そのため狭いところにも置きやすい、フットプリントの小さいPCが好まれる傾向にあります。その一方で高い処理能力が求められる専門職の場合には、多少スペースを取ったとしても、ミニタワー型で高性能なPCが選ばれることも珍しくありません」。
2つ目は「メンテナンスの労力の削減」である。在宅勤務のためにPCを配布する場合、問題が発生しても現地に行って対応することは難しい。そのためPCベンダーのサポート体制をうまく活用しながら、遠隔で対応することが求められる。この仕組みをシンプルに構築できることも、重要な要件になっているのだ。もちろん製品そのものの信頼性も重要になる。問題発生を最小限に抑えるには、堅牢で壊れにくい製品を選ぶことが望ましい。
そして3つ目が「サステナビリティーへの対応」だ。
「デル・テクノロジーズでは、従業員100人以上の企業・団体で業務用PCやIT機器購入・導入にかかわっている方を対象にした『サステナビリティーに関する調査』を実施しています。これによれば、回答者の7割以上がサステナビリティーに関心や知識があり、経営者や役員に限ればその割合は8割に上っています。また実際の取り組みも全体の7割が推進していると回答しています。その理由としては『企業経営における最重要項目』『企業ブランディングの醸成』が上位に来ています」(若杉氏)
当然ながらPCの調達でも、サステナビリティーは選択の重要な要件になっているという。
幅広いニーズに対応できる製品ラインアップ
これらのニーズに高いレベルで対応できるのが、デル・テクノロジーズが提供するデスクトップ PC「Dell OptiPlex」(以下、OptiPlex)である。同社は日経コンピュータの顧客満足度調査において、デスクトップPC部門で4年連続No.1を獲得。その背景には、変化し続ける顧客ニーズに応え続けていることが挙げられる。ここで先程の「3つのポイント」に沿って、この製品の特徴を見ていきたい。
まず取り上げたいのが、製品ラインアップのバリエーションだ。ディスプレイと一体化した「オールインワン」モデルから、フットプリントが極めて小さい「超小型」モデル、構成の自由度を確保した「省スペース」モデル、そして「ミニタワー」モデルまで、合計11もの基本モデルが用意されている(図1)。
特に注目したいのが、フォームファクタ(筐体形状)と基本性能のマトリックス型で、ラインアップを形成している点である。つまり、1つ目のポイントとなる「多様な設置スペースへの対応」が行いやすいわけだ。
例えば「超小型」モデルは幅がわずか36mmしかなく、ディスプレイスタンドの裏側に固定することも可能。第12世代インテルCPUを搭載し十分な処理能力を発揮、ポート数も豊富だ。そのため在宅勤務用のPCとして人気があり、また、倉庫や工場、店舗に設置されるケースが多いという。
「一方でミニタワー型は、グラフィックの選択肢が広く、特に、最上位の7000ミニタワーは、SSDを3枚格納できるスロットも装備。より高い処理能力を求める専門職に採用されるケースが増えています」と若杉氏は説明する。またいずれのモデルでも、背面のケーブルカバーを選択可能だ。これによってケーブルの抜けを防止でき、コネクタに埃がたまることも防ぎやすくなる。さらに専用ダストフィルターによって、空気環境が悪い場所でも内部のコンポーネントを保護可能。製品の堅牢性も、数多くのユーザーから高く評価されている。
サステナビリティーへの取り組みも積極的
これだけ幅広いモデルがあれば、多様なニーズに対して1社で対応することも可能だ。調達先を絞ることができれば、2つ目のポイントとなる「メンテナンス労力の削減」にもつながる。問題対応をエスカレーションするベンダーも限定できれば、煩雑さを回避しやすくなるからだ。
さらにデル・テクノロジーズであれば、企業向けサポートの選択肢も広く、24時間/365日のテクニカルサポートや、オンサイトでの部品交換、専任テクニカルアカウントマネージャーといったサポートサービスを受けることも可能。これなら在宅勤務のPCも、安心して運用できるといえるだろう。
3つ目のポイントとなる「サステナビリティーへの対応」も徹底している。デル・テクノロジーズでは2008年から筐体に再生プラスチックを使用した製品を出荷しており、2014年には再生プラスチックサプライチェーンを開始、その後も製品のサステナビリティーを高め続けている。2021年には世界初となるアルミニウム再生のためのクローズドループにも着手。OptiPlexでも、最大60%ものリサイクル素材を使用しており(モデルによって割合は異なる)、梱包材に至っては87%が再生品となっている(図2)。
「このような取り組みは、サステナビリティーに配慮したお客様からも高く評価されています。最近ではPC調達の際の要件にサステナビリティーが盛り込まれることも多くなっており、その結果当社の製品が選択されるケースも増えています。これからも、2030年までに梱包材の100%、製品部材も50%以上をリサイクル素材および再利用可能な材料から製造するという当社の目標に向けて取り組みをさらに強化していく計画です」(若杉氏)
このようにデル・テクノロジーズの製品は、デスクトップPCへの新たなニーズを全てカバーできることが分かる。これに加え、ユーザーの利用状況をAIが学習し、それに合わせて環境設定を最適化する「Dell Optimizer」も大きなポイントだ。最近ではWeb会議の際のノイズリダクション機能もDell Optimizerで強化されたという。
今後、ハイブリッドワークが進展するにつれ、生産性を支える快適な環境づくりがさらに重要となるはずだ。OptiPlexはその際の有力な選択肢の1つとなるだろう。
日経BP社の許可により、2022年4月7日~ 2022年7月6日掲載の日経 xTECH Active Special を再構成したものです。
https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/sp/b/22/03/28/00675/