設計開発の現場では、3D CAD/CAM/CAEツールが快適かつ安定して動作する高性能なワークステーション環境が求められている。近年は大規模モデルや複雑な解析などを扱うケースも増えており、その傾向はますます高まっている。さらに、柔軟な働き方が要求される昨今の流れを受けて製造業でもオフィスと自宅を使い分けるハイブリッドワークの導入が加速し、設計業務に堪える性能と可搬性を両立させたモバイルワークステーションのニーズが増している。
設計者のニーズに応える最新ワークステーション「Dell Precisionシリーズ」
こうした要求に対し、デル・テクノロジーズは幅広いワークステーション製品を取りそろえる「Dell Precisionシリーズ」を展開。タワー型(一部ラック型含む)とモバイルのそれぞれで、必要十分な性能とコストパフォーマンスを重視したエントリー向けの「Dell Precision 3000シリーズ」、性能や拡張性などの面でバランスの取れたメインストリーム向けの「Dell Precision 5000シリーズ」、パフォーマンスと拡張性に優れたハイエンド向けの「Dell Precision 7000シリーズ」を用意している。
タワー型の最新機種は、3000シリーズの「Dell Precision 3260 Compact」「Dell Precision 3460 SFF」「Dell Precision 3660 Tower」の3製品で第13世代「インテル Core プロセッサー」(Raptor Lake)を搭載してアップデートを図っている。「Dell Precision 5860 Tower」と「Dell Precision 7960 Tower」は第4世代「インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」(Sapphire Rapids)の「インテル Xeon W-2400シリーズ」と「インテル Xeon W-3400シリーズ」をそれぞれ搭載し、より高いパフォーマンスを発揮する。
モバイルワークステーションの最新機種も、第13世代インテル Core プロセッサーの登場に合わせて全ラインアップを一新して性能を引き上げた。ディスプレイサイズも幅広く、3000シリーズは14型の「Dell Precision 3480」と15.6型の「Dell Precision 3580」「Dell Precision 3581」、5000シリーズは14型の「Dell Precision 5480」と16型の「Dell Precision 5680」、7000シリーズは16型の「Dell Precision 7680」と17型の「Dell Precision 7780」を展開している。モバイルワークステーションながら、ミッドレンジ~ハイエンドのグラフィックスカードを選択できる機種も用意している。
これら最新ワークステーション製品の中で設計者にお薦めしたいのが、モバイルワークステーションのDell Precision 3581とDell Precision 5680だ。その理由について、デル・テクノロジーズ クライアント・ソリューションズ統括本部 プロダクトテクノロジストの児玉清美氏は次のように述べる。
「設計者の皆さんは、3D CADでパーツのモデリングやアセンブリ、干渉チェックや解析などを行っているため、それらが快適に安定して動作するワークステーション環境を求めています。近年はハイブリッドワークへの対応も重要視されているため、可搬性に優れたモバイルワークステーションをお薦めします。より高性能な最上位機種のDell Precision 7000シリーズも用意していますが、そこまで性能を求めていないというケースもあります。そうした声に応えるのが、必要十分なパフォーマンスを発揮するCPUとミドルエンドのグラフィックスを搭載し、コストパフォーマンスに優れたDell Precision 3581と、16型のスタイリッシュな筐体にハイエンドのCPUとグラフィックスを搭載して4Kディスプレイまで選択できるDell Precision 5680の2機種です」(児玉氏)
パフォーマンスとコストのバランスに優れた「Dell Precision 3581」
Dell Precision 3581は、CPUに第13世代「インテル Core Hシリーズ(H45)プロセッサー」を搭載している(Core i5~i9から選択可)。省電力性を重視したノートPC向けのインテル Core プロセッサーの「Pシリーズ」(28W)や「Uシリーズ」(15W)に対して、Core Hシリーズは性能を重視した設計なので3D CADなどでの作業に必要なCPUパワーを十分に引き出せる。メモリは最大64GB、ストレージは最大2TB搭載可能だ。
ディスプレイは15.6型のフルHDで、グラフィックスは製造業でのメインストリームになっている「NVIDIA RTX A2000」を搭載できるため、普段タワー型ワークステーションで3D CAD業務を行っている設計者でも大きなストレスを感じることはないだろう。
デル・テクノロジーズ クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 フィールドマーケティング シニアアドバイザーの市川貴浩氏は「Dell Precision 3000シリーズは本来、コストパフォーマンスに優れたエントリー向けモデルの位置付けですが、Dell Precision 3581は3D CAD業務にも十分対応できますし、メイン機種として本格的な作業にお使いいただけます。インテル Core Hシリーズ(H45)プロセッサーを搭載できる機種の中では価格も非常にアグレッシブで、1人1台持ちをかなえるハイブリッドワーク環境として最適な選択肢だと言えます」とアピールする。
ハイエンドなグラフィックスにも対応する「Dell Precision 5680」
Dell Precision 5680もCPUに第13世代インテル Core Hシリーズ(H45)プロセッサーを搭載。最上位のCore i9は14コア(6P+8E)の非常に優れたマルチスレッド性能を発揮する。メモリは最大64GB、ストレージは最大4TB搭載可能だ。
Dell Precision 5680は、Dell Precision 5000シリーズの特長でもある薄型、スタイリッシュさを継承した新規設計の筐体を採用し、ハイエンドのグラフィックス「NVIDIA RTX 5000 Ada」まで搭載できる。従来機種にはなかったHDMI 2.0ポートも新たに搭載した。ディスプレイは現在主流になりつつある16型で、UHD+OLED 4K タッチスクリーンを選択できる。
第13世代インテル Core Hシリーズ(H45)プロセッサーとNVIDIA RTX 5000 Adaによる高性能、16型4Kディスプレイによる高解像度表示によって、タワー型のエントリーモデルであるDell Precision 3000シリーズに匹敵するパフォーマンスを発揮し、設計業務の生産性向上、作業効率化を図ることができる。これだけの高性能を誇りながらも本体重量が2kgを切っている(1.91kg)点も見逃せない。
「3D CADによる設計業務はもちろんのこと、解析やAI(人工知能)、VR(仮想現実)技術を活用するシーンでも十分にお使いいただけます。第13世代インテル Core Hシリーズ(H45)プロセッサーの搭載に加え、NVIDIA RTX 5000 Adaまで選択できるというのがDell Precision 5680の最大の強みです。Dell Precision 3581だとグラフィックス性能が物足りないという声にも応えられる製品だと自負しています」(児玉氏)
「Windows 11」への移行でさらに性能が向上
前述の通り、Dell Precision 3581とDell Precision 5680には、第13世代インテル Core プロセッサーが搭載されている。第13世代インテル Core プロセッサーは高い演算処理能力を備えた「Pコア」と省電力性能に優れた「Eコア」によるハイブリッドアーキテクチャを採用しており、各コアに効率的にタスクを割り当てることでシステム全体のパフォーマンスを引き出す。そのパフォーマンスはハイブリッドアーキテクチャに用いる「Intel Thread Director」に最適化された「Windows 11」によって最大化される。
設計開発現場では「Windows 10」での3D CAD利用がいまだ多いが、Dell Precisionシリーズであれば「Windows 11 Pro」への無償アップグレードを含む「Windows 10 Pro」を選択できるため、将来的なWindows 11移行を前提に安心して利用できる。
設計者が求める性能と、ハイブリッドワークにも対応できる優れた可搬性を兼ね備えたワークステーションを選ぶ際、Dell PrecisionシリーズのモバイルワークステーションDell Precision 3581とDell Precision 5680は最有力候補となるはずだ。設計環境を見直しているのであれば、両機種を選択肢に入れてみてはいかがだろうか。
この記事は MONOist (https://monoist.itmedia.co.jp/)に2023年6月に掲載されたコンテンツを転載したものです。
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