8000台のPCを3カ月で導入!複合カフェ「快活CLUB」が選ぶデスクトップとは

コロナ禍でテレワーク需要が急増し、PCの性能問題に直面

馬場 文昭氏
株式会社快活フロンティア
情報システム部 課長

ファッションやブライダルを中心に幅広い事業領域への挑戦を続けるAOKIホールディングス。その子会社である快活フロンティアは質の高いエンターテインメント事業を担い、複合カフェ「快活CLUB」、カラオケ「コート・ダジュール」、フィットネスクラブ「FiT24」「ライナ」といった各種施設を運営している。

その中でも急速に業績を伸ばしているのが「快活CLUB」だ。一般には「ネットカフェ」のイメージが強い快活CLUBだが、近年はコロナ禍や働き方の変化といった時流に対応し、テレワークやシェアオフィスとしての利用が急増。2023年3月期には売上高が676億円を突破し、リーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにしている。

「娯楽としての利用に加え、ここ数年はビジネス目的で使われるお客様が増えています。リモートワークでWeb会議をされたり、出張先で立ち寄って仕事をされたりする方なども多く見られます」と話すのは、快活フロンティアの馬場 文昭氏だ。

インターネット環境を備えた複合カフェとして493店舗を擁する快活CLUBでは、会員が利用する多くの個室にデスクトップPCを完備。端末のリース期間満了に合わせて定期的に最新PCへの入れ替えを行っているが、ユーザーニーズとともにPCに求められる要件も変化してきたという。

「当初はインターネット検索によるサイトの閲覧が主でしたが、最近ではハイビジョン動画の視聴やゲームなどでも利用されるようになりました。またテレワークでお使いいただく際、マルチタスクの処理が増えるとMicrosoft Office系のソフトがあまりスムーズに動かないといったお声もいただき、性能面での課題が浮上していました」(馬場氏)

とはいえ、ハイスペックなPCを導入すればコストも上がってしまう。保守面でも、以前はセンドバック方式(故障したPCをメーカーや販売店に送り、修理後に送り返してもらう方式)であったため従業員に手間がかかり、同社が押し進める業務省人化の妨げになっていた。全店舗で約3万6000台規模での入れ替えは、「スペックとコストのバランスを慎重に考える必要がありました」と、馬場氏は振り返る。

こうしたPC環境の課題を同社はどう解決したのか。次ページ以降ではその仕組みと成果について紹介したい。

コンパクトな筐体と高パフォーマンスがスペースの課題にマッチ

2022年末、同社は快活CLUBの全店舗中、284店舗・計8127台のPC入れ替えの検討を開始。スペックやコストの要件を見直した上で、まずは6社のベンダーに提案を依頼した。

しかし「導入台数と納期の両面で、要求事項の難易度は高いものになりました。半導体不足の影響もあってか、『生産が間に合わない』と辞退されたベンダーもいて、無事に実現できるだろうかと不安を覚えました」と馬場氏は話す。

最終的に2社の提案を比較し、デル・テクノロジーズ(以下、デル)のデスクトップ「Dell OptiPlex 3000 スモールフォームファクター」を採用した。

重視されたポイントの1つが、コンパクトでスタイリッシュな筐体デザインだ。「個室の圧迫感を緩和しつつ、モニターも大きめのものを置けるようになることがメリットです」と、馬場氏は限られた個室空間との相性の良さを評価する。

パフォーマンスも高い。最大128GBのDDR5メモリーと第13世代 インテル® CoreTM i5-13500プロセッサーを搭載し、マルチタスク機能が向上。アプリケーションの切り替えが格段にスムーズになった。「インテル® CoreTM i7プロセッサーよりも安価でありながらビジネス利用の会員様もストレスなく利用できる十分なスペックだと判断しました」(馬場氏)。

保守サービスも大きなポイントになった。デルでは、テクニカル電話サポートとサービスエンジニア派遣による出張修理サービスを統合した保守体制により、ハードウエアに発生した技術的な問題や障害を早急に解決する。

「これまでの保守はセンドバック方式だったため、故障のたびにPCを従業員が段ボールで梱包して発送しなければなりませんでした。業務負荷が大きい上に、修理が終わってから届くまでにかなり時間がかかってしまうケースもあり、デルの手厚い保守体制は非常に安心感がありました」(馬場氏)

複合カフェにとってPCは欠かせない存在だ。万が一PCにトラブルがあれば、その対応が終わるまでは、その席が使えないことになってしまう。従業員の手間を省力化し、修理の期間も極力短くしたいという快活CLUBにとって、デルの保守サービスは最適な選択肢だったわけだ。

グローバルベンダーならではの調達力で8127台を導入

2022年12月、快活フロンティアはDell OptiPlex 3000 スモールフォームファクターの8127台導入を正式に決定。2023年3月から順次製品が納品され、同社が示した当初の要件通り、7月中には対象端末すべてのリプレースが完了した。馬場氏はその対応力をこう評価する。

「当社側の発注決定が遅くなり、厳しい納期でお願いすることになりましたが、すぐに手配していただき問題なく導入が進みました。この安心感はグローバルでの調達が可能なデルならではだと感じています」(馬場氏)

快活CLUBに設置されたDell OptiPlex 3000 スモールフォームファクター

さらに、馬場氏が言及するのが、修理対応に伴うコスト予測のメリットだ。「以前のベンダーは保守範囲が狭く、対応を依頼するたびに費用が発生していたので、故障対応が経営にどれだけ影響を与えるかを予測できませんでした。今回加入したデルの保守プランは、対応回数に上限はあるものの、過失による破損もカバーしてもらえます。これは様々な会員様にご利用いただく快活CLUBのような業態には、とてもありがたいサービスです。例えば、会員様が飲み物をこぼしてしまうなど、予期せぬトラブルはつきものですが、そうした場合も保守範囲内で対応していただけるので、定額の保守費用によってITコストの見通しが立てやすくなりました」

新たに導入されたPCに関して、現時点では大きなトラブルはまだ発生しておらず、今後トラブルが生じても、安心や経営面でのメリットを感じているという。

「万が一PCにトラブルが生じても、これからは従業員に負担をかけることがなくなります。デルのサービスエンジニアに店舗まで来てもらい、場合によってはその場で修理してもらえるのはとても心強い。我々は入退店の自動化など、業務のさらなる省人化を進めており、その取り組みにも合致するものでした」(馬場氏)

すべての会員にさらに快適空間を提供していきたい

PCを利用する会員の利便性向上と、保守にあたる従業員の負荷軽減を目指し、Dell OptiPlex 3000 スモールフォームファクターを採用した快活フロンティア。世界的な半導体不足が叫ばれる中、デルの調達力によって発注からわずか3カ月で納品というスピード感を実現し、約8000台のPCを入れ替えるという同社にとって最大規模のリプレースは見事に成功した。

同社は2022年6月に複合カフェ「スペースクリエイト自遊空間」を展開するランシステムの子会社化を発表しており、今後はシステム面の強化による省人化の推進、人材の確保、店舗展開およびフランチャイズビジネスのノウハウ共有などにより、複合カフェ事業のさらなる拡大を見込む。

実際にAOKIホールディングスの23年3月期の売上構成比は、本業である「ファッション事業」(紳士服の「メンズプラザAOKI」など)が約52.5%(約945億円)であるのに対し、快活CLUBなどの「エンターテインメント事業」は約39.6%(約712億円)を占める。これから快活フロンティアにランシステムの売上高が加われば、その規模はファッション事業に迫る勢いとなるだろう。

今後の事業展開やデルへの期待について、最後に馬場氏は次のように語った。

「快活CLUBは、これからも複合カフェ業界をけん引すべく、すべての会員様により快適な空間を提供していきたいと考えています。その中でPCは非常に重要なハードウエアの1つであり、5~6年のリース期間の中で陳腐化しない高性能かつコストパフォーマンスに優れた製品を今後も見極めながら導入していきたいと思います。既にデルにはPC以外にも効果的な提案をいくつもいただいており、現在はサーバー導入などに向けて検討を進めています。引き続き様々な側面での支援を期待しています」

日経BP社の許可により2023年12月19日~2024年3月18日掲載の日経xTECH Active Specialを再構成したものです。
https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/sp/b/23/11/20/00939/

<前の記事へ   次の記事へ>

About the Author: Dell Technologies