AI時代のサステナビリティーに向けたエンド ツー エンドのアプローチ

ブログ原稿 https://www.dell.com/en-us/blog/an-end-to-end-approach-to-sustainability-in-the-ai-era/
筆者:ジェフ クラーク(Jeff Clarke)/バイスチェアマン兼COO(最高執行責任者)

デル・テクノロジーズは、拡張性に優れた「Dell AI Factory」とオープン エコシステム パートナーを基盤に、AIがもたらす新たな可能性を活用できるよう、お客様を支援しています。このような可能性には、例えば世界的なネットゼロへの移行や、生成AIが現在進行している気候変動の取組みに及ぼすインパクトといった課題も伴います。

世界では、医療の先進化食糧システムの変革自然保護など、最重要課題の多くを解決するためにスーパーコンピューターに依存しています。しかし、AIワークロードの中には、エネルギーを大量に消費するものもあります。事実、AIデータセンターのエネルギー需要は、2030年までに390ギガワット(GW)に達し、他のアプリケーションでさらに130GWの容量が必要になると推測されています。その合計は520GWとなり、これは現在使用されている容量の8倍に及びます。

デル・テクノロジーズは、世界的なテクノロジー リーダーの1社として、この課題へどのようにアプローチすべきでしょうか。進歩によって地球環境を犠牲にすることなく未来を創り出すために、どのようなことができるのでしょうか。

これまで数十年にわたり、デル・テクノロジーズはサステナビリティーをビジネスの必須要件として捉えています。サステナビリティーは、当社のあらゆる事業活動に織り込まれており、製品の設計やよりエネルギー効率に優れたデータセンター ソリューションの革新に影響を与え、お客様がビジネスや社会に与えるインパクトの目標達成を支援する体制を整えています。デル・テクノロジーズは、サステナビリティーに対してエンド ツー エンドのアプローチを採っています。

バックエンドとフロントエンドにおける経験とノウハウ
バックエンドとは、組織内とエコシステム内におけるサステナビリティーの統合と運用化の部分です。経理部門からエンジニア、グローバル オペレーション、セールス リーダーまで、組織に所属する誰もが、それぞれに役割を担っています。このバックエンドをベースに、サプライヤーや社内の製品設計部門とともに、持続可能な素材のイノベーションを推進することが可能になります。このようにして、私たちは、テクノロジーとエネルギーのイノベーションが交わる部分を探っています。また、このバックエンドによって、組織を横断したコラボレーションを促進し、さまざまな新しい規制や報告義務に対応しています。

フロントエンドは多くの人が目にする部分であり、お客様やパートナーのサステナビリティーにおけるニーズについてのやり取りを通じてワークロードの適正な規模の判断を支援し、利用できる再生可能エネルギー源に関するアドバイスなどを提供しています。フロントエンドは、最先端の液冷・空冷機能、排出量の追跡、エネルギー効率といった要件を念頭に構築されているストレージやサーバーなどの持続可能なデータセンター ソリューションになります。これらは、AI PCに使用されている低炭素アルミニウムや再生コバルト、排出量と廃棄物を減らすマルチパック出荷オプションなどに見ることができます。また、責任ある廃棄やシステムの再利用、電子廃棄物削減のためのリサイクルおよび回収サービスにも反映されています。デル・テクノロジーズは、より柔軟なIT管理を実現するas-a-Serviceソリューションを含め、すべての製品とサービスでサステナビリティーに配慮しています。これらのソリューションが、IT運用の全体的な排出量の削減に貢献します。

サステナビリティーに対するエンド ツー エンドのアプローチが重要な理由
企業は、エネルギーコストの高騰、規制・報告義務の変化、ステークホルダーの多様なニーズなどを背景に、より持続可能なIT環境の導入と運用を余儀なくされています。しかし、調査によると、ほぼ10社中6社はAIが環境のサステナビリティーに対する自社の取り組みを損なうと回答しており、また多くのお客様がどこに重点を置くべきか分からないと答えています。デル・テクノロジーズも同じような道を歩んでいますが、年次のエンド ツー エンドのサステナビリティー ロードマップを含むアプローチによってフォーカスを絞り、前進することができています。

大きなパワーを必要とする生成AIの持続可能な管理を含め、私たちには、まだすべきことがあります。一方、サステナビリティーのイノベーションと運用をエンド ツー エンドで管理することが、今後AIがもたらすチャンスをつかむための重要な基盤になるということも明白です。

今、私たちは正念場に立っています。私たちは楽観的であると同時に現実的であり、業界で最も幅広いテクノロジーとサービスのポートフォリオ、従業員とパートナーの創意工夫、そしてグローバル リーチのすべてを組み合わせて引き続き活用することで、ビジネス、環境、社会にプラスのインパクトを与えていきます。