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2023年2月8日 00:00

[PowerStore][VxRail] PowerStoreとVxRailで、巷で話題のNVMe over TCPを使ってみた(設定編)

皆様こんにちは。
ネットワールド ストレージ担当です。

最近、ストレージにもNVMeドライブが載ることが増えてきましたね。
このNVMeは従来のAHCI規格と比較して、コマンドキューが増加しており、
パフォーマンスが大幅に向上した新しい規格になります。

従来のSAS/SATAでは、SSDの性能を十分に生かしきれないために生まれた規格、
と言っても過言ではないでしょう。

このNVMeは、DELL製品では、PowerStore,Unity XT(480以上)、VxRailなどに搭載されています。

ということで、今回はこのNVMeを有効に活用するためのプロトコル、
NVMe over TCP
についてご紹介いたします。

ブロックストレージはパフォーマンスに優れるため、根強い需要があります。
ストレージとして使用するためには、サーバとストレージを何らかの方法で接続する必要があります。
この接続方法としては、

・直結

・ネットワークを経由して接続

の二通りがあります。
後者のネットワークをSAN(Storage Area Network)と呼びますが、SANも種類があり、

・FCネットワークを使用したFC-SAN

・TCP/IPネットワークを使用したIP-SAN(iSCSI等)

があります。

 

一般的には、サーバのフロントエンド等の用途で、TCP/IP環境はどの環境にもありますね。
これとは別に、HBAやFCスイッチなどを用いてFC環境を構築しなければならない、
というのがFCの最大のデメリットかと思います。

一方で、IP-SANで構築する場合、既存のEthernet資産を活用できるというところが最大のメリットとなります。

このようなメリデメから、iSCSIを選択される環境も多いかと思います。
NVMe over TCPは、このようなEthernet資産を活用してブロックストレージを使用することができます。

NVMe over TCPを使用するには、OS側としてもプロトコルをサポートする必要があります。
例えば仮想化基盤としてメジャーなVMware vSphereでは、vSphere 7 Update 3にてNVMe over TCPがサポートされました。

という事で、さっそくNVMe over TCP環境を構築してみたので、今回はその様子をお送りいたします。
簡単な構成図になりますが、構成としては以下の通りです。

01.png
 

ストレージには、PowerStore 500T、サーバ側はVxRail E560F、それらをつなぐスイッチは、
S5224F(25Gスイッチ)を使用し、上図のように25Gネットワークで構成します。

まずはvSphere側でNVMe over TCPの有効化をしていきましょう。
VLAN 500/501のポートグループを作成します。(VLAN IDは任意です)
この際大事なのが、インターフェイスがフェイルオーバーしないように設定することです。

02-fix.png

このように作成したポートグループに、VMkernelを追加します。
作成手順は、どちらのポートグループも同様なので、ここではVLAN 500を例にします。

①対象のポートグループを右クリックして「VMkernelの追加」をクリックします。

②メンバーホスト選択画面が開くので、対象のホストを選択します。
例では、すべてのESXiホストに設定したいため、すべてのノードを選択しています。

③サービスの設定画面にて、「NVMe over TCP」を選択します。
MTUもこの画面で変更できますので、PowerStoreのベストプラクティスに従って、9000にしておきます。

④各ノードに付与するIPアドレス設定画面が出てきますので、ここで各ノードにIPアドレスを設定します。

⑤設定内容を確認して、「完了」をクリックします。

03.png

 

続いて、ストレージアダプタを作成します。

①各ホストの「構成」-「ストレージアダプタ」-「ソフトウェアアダプタの追加」-「NVMe over TCPアダプタの追加」をクリックします。

②紐づけるvmnicを選択します。
今回の構成では、vmnic0/vmnic1に紐づけるため、この操作を2回実施してそれぞれにアダプタを追加します。
まずは、vmnic0に紐づけしましょう。

③アダプタが作成されたことを確認します。
この例では、vmhba67として作成されました。
同様の手順で、vmnic1と紐づけてアダプタを作成します。
この例では、vmhba68として作成されました。
※vmhbaの数字は、他のストレージアダプタなどの作成状況によって異なります。



04.png

 

続いて、PowerStore側の設定を行っていきます。
PowerStore側で行う設定としては、

・ストレージ用IPアドレスの設定

・Volume設定

・ホストのマスキング設定

が大きな項目になると思います。
Volume設定については大きく変わらないため割愛し、ストレージ用IP設定、ホスト設定を実施していきます。

①まずはPowerStoreにNVMe over TCP用IPアドレスを割り当てていきます。
「Settings」-「Network IPs」-「STORAGE」-「CREATE」をクリックします。

②必要な項目を入力していきます。
なお、MTUは、あらかじめCluster MTUで設定したサイズまでしか指定できないため、Jumbo Frame使用時は事前にCluster MTUを設定しておく必要があります。

③IPを割り当てるインターフェイスを選択します。

05.png

①次に、ホストを登録します。
「Compute」-「Host Information」をクリックします。

②「ADD HOST」をクリックします。

③「Host Friendly Name」,「Operating System」を入力します。(必要に応じてDescriptionも入力できます)

④「Initiator Type」で「NVMe」を選択します。

06.png

 

すると、以下のように先ほど設定したESXiホストが見えてきます。
該当するホストを選択して、次へ進みます。

07.png

あとは残りのホストを同様の手順で登録し、必要に応じてHost Groupでまとめて上げれば、ホストの設定は完了です。

その後、作成したHost / Host Groupを、Volume作成時に割り当ててあげればPowerStore側の設定は完了です!

 

最後にvCenterから、Initiatorを検索しましょう。

①先ほどのストレージアダプタ画面にて、「コントローラ」タブから「コントローラの追加」をクリックします。

②IPアドレスにGlobal Discovery IPか各ノードに振られたIPアドレスを入力します。
すると、PowerStore各ノードに振られたIPアドレスが一覧表示されますので、選択します。

③一覧にPowerStoreが登録されたら完了です。

 

同様の手順で、別のセグメントも登録します。

08.png

これで、vCenterからPowerStoreの領域が、NVMe over TCPで見えるようになりました!
あとは、通常の手順と同様に新しいデータストアを追加する要領で、VMFSを作成します。
このあたりの詳細な手順は割愛します。

09.png

以上で、NVMe over TCPでPowerStoreのボリュームをマウントすることができました!
気になる肝心の性能は・・・

おっと、だいぶ長くなってしまったので、今回はここまでとなります。
気になるパフォーマンス検証の結果は、別の機会にご紹介させていただきます!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!次回もお楽しみに!

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