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2023年1月24日 01:00

[PowerStore]MPIOを騙す!無停止移行の動作

こんちにはネットワールドストレージ担当です。
今回はPowerStoreの無停止移行についてご紹介します。

PowerStoreにはエージェントレスインポートと無停止インポートの2つがあります。
エージェントレスインポートはI/Oの停止は伴いますが、要件が緩めです。
今日の本題の無停止インポートはI/Oの停止は発生しませんが、要件が厳しめです。
もし実施するなら最新のサポートマトリクスを要確認です!
インポート機能の概要やエージェントレスインポートの内容は以前の記事を参照ください。



[PowerStore]有用機能Import(Agentless編) 

PowerStoreの無停止移行は一言でいえば、マルチパスソフトウェアを騙すことで実現する機能です。
そして正確に物事を理解するマルチパスソフトウェアを騙すため
インポートツールキットという専用のアプリケーションが必要になります。

今回の検証は移行元がUnity VSA(v5.2.1)、移行先をPowerStore5000T(V3.2.0.1)、
移行対象サーバはWindows Server2019を使用しています。

まず流れの説明です。
流れは非常に簡単で以下4ステップとなっています。
①移行対象サーバへインポートツールキットをインストール
②リモートシステムの追加
③インポートの実行
④カットオーバーの実行

①のみサーバ上でオペレーションを行いますが、②~④はPowerStoreのGUI操作のみです。
既存のストレージの操作に関しては全てPowerStoreが実施してくれます。







①移行対象サーバへインポートツールキットをインストール
Windows用のアプリケーションなのでexeを実行してウィザードを進めるだけなので非常に簡単です。
③~④でこのツールとPowerStoreの管理IPが通信を行うため、ファイアウォールの穴あけが必要です。
マニュアルにしっかり書かれていませんでしたが、内向きに必要なようです。
デフォルトは8443ですがポート番号の変更は可能です。



②リモートシステムの追加
PowerStoreのメニューより[移行]-[外部ストレージの移行]と選ぶと[リモートストレージの追加]というボタンがあります。
このボタンを選択しますと以下のような画面が表示されますのでパラメータを入力していきます。
スライド2.PNG


その後、実際に入力した管理IPへ通信をしにいき証明書の確認後に表示される[ボリュームの取得]を押すことでウィザードは終了します。

スライド3.PNG

ウィザードが終了しますと移行元ストレージが追加されますので、[データ接続]の部分がOKになれば完了です。
私が遭遇した限りここでエラーになるパターンの多くはケーブル繋がっていない、IP間違えた...などの初歩的な問題が多いです。
先ほど画面でPowerStore側のポートの指定が無かったかと思います。
PowerStore側はレプリケーションタグがついたポートでデータ転送すると決まっているのでポートの指定がありません。
またUnityへの制御系の通信はsshで行われるので、sshの有効化も必要です。



スライド4.PNG

スライド5.PNG

ここまで完了した状態で移行元ストレージのGUIをみますとPowerStoreがホストとして登録されます。

スライド6.PNG

 ③インポートの実行
移行を行うストレージを選択し[ボリュームのインポート]を実行しますとウィザードが起動します。

スライド7.PNG

最初はこのウィザードで実行されることの説明です。

スライド8.PNG

次に移行対象ボリュームの選択です。
インポートが完了しました と書いてあるボリュームはすでに移行が完了しているものです。

スライド9.PNG

その次はボリュームグループの選択です。
移行元でコンシステンシーグループを設定している場合は自動で作成されます。

スライド10.PNG

その次は移行対象ホストの追加です。
[ホストの追加と証明書の検証]ボタンを押すと移行対象サーバのIP、OSの種類、ポート番号の入力を求められます。

スライド11.PNG

正常に通信ができるとこのように移行対象ホストが表示されます。

スライド12.PNG

その後ホストのマッピング検証が行われます。

スライド13.PNG

次にPowerStore<=>移行対象サーバ間の通信経路の指定です。
Windowsの無停止移行はここに複数行ある状態では実行できないため、実質一択です。
Linuxの場合は複数あっても問題ありません。

スライド14.PNG

次はスケジュールの設定です。
初期同期の日時を指定したい場合はここで選択します。
またデータ同期が完了した後すぐに切り替えを行いたい場合は[自動カットオーバー]にチェックをいれます。
どちらも日本人はあんまり選ばない項目だと思います。


スライド15.PNG

次は保護ポリシーの指定です。
スナップショットやレプリケーションの設定も一緒に行う場合はここで設定することが可能です。

スライド16.PNG

最後に設定内容を確認してウィザードは完了です。

スライド17.PNG

その後、[インポートの状態]が進行中からカットオーバーの準備が完了に変わったら次のステップに移れますが
その前にここまででどういう変化があったか移行元ストレージ側とサーバ側の状態を見ていきましょう。

スライド18.PNG

まず移行元ストレージ側はPowerStoreに向けて移行対象ボリュームがマスキングされています。

 

スライド19.PNG

そしてサーバ側はPowerStore側から見せた経路を既存の経路が増えたと認識します。
PowerStore側からは68ccf09800943883bc2ba05c732c5c3bのWWNのボリュームを見せていますので本来は別のデバイスとしてマルチパスソフトは認識しなければいけないのですが、インポートツールキットの手のひらで踊らされています。

スライド20.PNG

④カットオーバーの実行
[ブロックインポート]画面より対象のボリュームを選択し[カットオーバー]をクリックしますとカットオーバーが実行されます。

スライド21.PNG

 確認メッセージが表示されるので、そのまま進めるとカットオーバーは完了です。

スライド22.PNG

これで移行は完了です。
まず移行元ストレージから状況を見ていきましょう。
移行対象サーバから移行元ボリュームがアンマスキングされています。
ボリューム自体は残っています。


スライド23.PNG


最後にサーバ側の状態をまた見てみましょう。
今度はUnity側の経路が無くなり、PowerStore側の経路だけになりました。
PowerStore側から見せているボリュームのWWNは68ccf09800943883bc2ba05c732c5c3bのままなのに変わらず6061608D5F182EC923CE63B5EC1F3のボリュームとして認識していますね。


ということでサーバからすると移行中はデバイスは変わらず、パスが増減しただけなので、I/Oは止めることなく移行を完了させられる...という動きを理解頂けましたでしょうか?
スライド24.PNG

ストレージ移行はデバイスが変わってしまう(WWNが変わる)事が課題でしたが、インポートツールキットを使用し移行前と移行後のWWNを同一と認識させることで、無停止移行を実現している!
というのがPowerStoreの無停止移行です。

方法は異なりますが、PowerMaxもWWNの誤認させることで無停止移行を実現しています。


もしかしたら今後も同様の方法が増えてくるかもしれませんね。

以上、PowerStoreの無停止移行のご紹介でした。

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