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Dell PowerStore 3.0 and VMware XCOPY Performance Enhancements
Itzikr's Blog 日本語翻訳版
*オリジナルブログは以下URLから参照可能です
https://volumes.blog/2022/07/12/__trashed-2/
まず初めに
2年前のDell TechnologiesによるPowerStoreリリースはストレージ業界に衝撃を与えました。PowerStoreのアーキテクチャは業界に衝撃を与え「PowerStoreは長年におけるデータストレージハードウェア史上最も重要な開発であり、これからも他のストレージのベンチマークとなるだろう」と言わしめたほどでした。
関連記事:https://blocksandfiles.com/2020/05/05/dell-emc-powerstore-midrange-array-launch-analysis/
PowerStoreのリリース以来、Dell Technologiesはイノベーションの加速度を増しています。当初の約束どおり、コンテナベースのPowerStoreアーキテクチャが市場に機能を迅速に提供している証となっています。2020年5月のリリース以降、2回のメジャーソフトウェアリリースそしてハードウェアも発表されました。一番最近のアップデートである3.0はDell Technologies World 2022で発表されVMware VAAI (VMware Array API Integration=XCOPYとして知られる)環境での大幅なパフォーマンス向上を含んでいます。
パフォーマンス向上はいつになってもプラスファクタではありますが、XCOPYのパフォーマンス向上がどのようにお客様のビジネスに利点をもたらすのか、もう少し詳しく説明します。
運用例
VmwareのESXi 環境はPowerStore使用のお客様の間で最も広く採用されているハイパーバイザーになります。PowerStoreのお客様は VMwareのVAAI XCOPY の真価をを様々な形で活用しています。
例えば・・・・
- 仮想マシンのデプロイと仮想マシンのクローン
テンプレート使用の仮想マシンデプロイは新しい仮想マシンに仮想ハードウェア、ソフトウェア、その他設定を含んだテンプレートのコピーを作成します。
仮想マシンのデプロイではデータストア(VMFSもしくはvVol として)の容量配分作業がありますが、これはテンプレートのデータストアからのデータをコピーすることにほかなりません。
このコピープロセスはソースデータストアからディスティネーションデータストアへの内部コピーであるXCOPY VAAI コマンドとしてPowerSrore にオフロードされます。
データコピーは仮想マシンのデプロイの中では時間のかかる作業ですがXCOPY が仮想マシンのデプロイのスループットを決定することになります(一分間にデプロイできる仮想マシンの数のこと)
仮想マシンのクローンも仮想マシンのテンプレート使用での作成と同様に、オリジナル仮想マシンからのコピーになります。管理者は少数の仮想マシンのクローンを行うこともあれば多数の仮想マシンのクローンを行うこともあります。そしてやはりここでのポイントはXCOPY のパフォーマンスによるところが大きいのです。
- ストレージvMotion
ストレージvMotionはVMware vSphere上で仮想マシンのファイルシステムをライブでソースデータストアからディスティネーションデータストアへ移行する機能になります。このプロセスは同じPowerStore内のデータストアで行われる場合も、別のPowerStore筐体間で行われる場合もあります。VMDKのサイズにより完了時間は変わりますが、ネットワーク帯域をかなり使うことは確かでそれが同じ物理サーバや同じネットワークを使う他の仮想マシンのパフォーマンスに影響することもあります。
このプロセスを加速化させ、パフォーマンス影響を抑える一つの方法としてPowerStoreがサポートするPowerStore内データストアに対して行うXCOPY があります。この機能を使用すればvSphereはESXiサーバーへの負荷を抑え、ストレージvMotionにかかる時間を短縮することが可能です。
Copy Offload (XCOPY)
XCOPYはストレージアレイへタスクをオフロードすることによって実現されるVAAIの原理の一つです。XCOPYは仮想マシンのマイグレーションやクローン作製を、vSphereのリソースを使うことなくPowerStoreへオフロードすることができます。XCOPYはストレージアレイ内で完結するデータコピー、つまりホストHBAを介さないRead/Write を可能にします。これは仮想マシンのクローン作成や、テンプレートからのデプロイ、またvMotionでのデータ移行などをする場合ネットワーク/SAN環境の負荷と時間をかなり軽減するものです。
PowerStoreでのXCOPYの使用方法
PowerStoreはXCOPY をフルデータコピーではなくメタデータコピーします。フルデータとしてデータをすべて読み書きするのではなく、つまりソフトウェアスタックやハードウェアを通り抜けることなく対象のデータのロジカルブロックアドレス(LBA)ポインタをマッピングするだけです。もっと言うとwrite-LBAがread-LBAにポイントするだけなのですが、これがいくつかの利点を生み出しています。
- これによりPowerStoreは標準のデータコピー(ソースで読み取りディスティネーションに書きこむ)よりも格段に高いXCOPYパフォーマンスを実現します。このオペレーションはドライブレベルの帯域を使い果たしたり、SSDの摩耗を引き起こしたり、CPUサイクルの過剰な使用をすることなく実現します。XCOPY のパフォーマンスは使用帯域とレイテンシー軽減の両方で実現されています。
- XCOPYオペレーションはドライブにデータを書き込むことなく終了します。PowerStoreがメタデータオペレーションであるデータパスを使うため、インラインで これらデータブロックをを重複排除するのです。
XCOPY オペレーションにおけるもう一つの課題はストレージにつながる普通のホストへのIOサービスへの影響でした。(例:うるさい隣人問題*後述追記参照)これはESXi サーバーからのXCOPY のサイズが大きく、バースト性の高いものであることが多いためでした。PowerStoreのautonomous Quality-of-Service (QoS) 機能がホストIOへの影響を最小限に抑えます。またXCOPY オペレーションを最適なサイズに分割することによって効果的な大きさではあるけれど迅速なオペレーションを可能にさせ、ホストIOへの余力を提供します。自立的QoS 機能と効果的なXCOPY分割オペレーションで、「うるさい隣人」問題を抑制しつつ、PowerStoreはXCOPYオペレーションのスループットを最大限に引き出すことが可能です。
*うるさい隣人問題:noisy neighbor problem(訳者Ayasにて追記)
PowerStoreOS 3.0でXCOPY パフォーマンスはPowerStoreOS 2.0から比べて帯域幅10倍にまで改善されました。
PowerStoreのパフォーマンスを最適化するためのESXiホスト設定
PowerStore はESXi サーバでXCOPY を使用するために必要なSCSI T10 ベースの VMW_VAAIP_T10 プラグインをサポートします。PowerStore は最大8セグメント、サイズ32MB-1もしくは0xffff ブロックサイズをサポートします。
XCOPYをEnableにするには,VAAI の要求規則の作成が必要になります。この要求規則がない場合ESXi サーバは単一のセグメントをデフォルトで使用します。これはXCOPY転送サイズがデバイス構成中に4MB以下と任意で示さない限りすべてのデバイスに対して4MBとなることを意味します。
PowerStoreの claim rule(要求規則):推奨設定は以下になります。
-a|–xcopy-use-array-values
-s|–xcopy-use-multi-segs
-m|–xcopy-max-transfer-size=240
上記設定が以下をEnableにします。:
- ESXi がPowerStore設定を参照
- PowerStoreがサイズ32MB-1ブロック(0xffff ブロック)最大8セグメントのサポートをレポートします。
ESXi サーバはこれでPowerStoreへ XCOPY コマンドを8セグメント、それぞれのセグメントサイズ最大30MBまで 送ることが可能になります。(これはESXi側の制限)
XCOPYリクエストの “データの最大サイズ” は最大8×最大セグメントサイズ30MBとなり= トータル240MBとなります。
ESXi はその時点で必要なサイズでコマンドを送信することに注意してください。先述した設定であればXCOPY コマンドで使用するデータの平均量は240MB以下になりますが、場合によっては4-5個の240MBコマンドが連続投入されたり、反対にもっと小さいサイズで送信されることもあることを考慮してください。
結論
PowerStore 3.0は大きな成果を上げています。VMware XCOPYのパフォーマンス向上はPowerStoreをVMWareストレージとして使うお客様にとって迅速な仮想マシン作成や、コピー、ストレージvMotion をもたらします。最大10倍のパフォーマンスは信じられないくらい素晴らしいですし、これからもこのような機能改良がどんどん追加されていくので楽しみにしていてください。
PowerStore + VMware ベストプラクティスはこちらで確認できます。
Dell Technologies Infohub サイト:
- Dell PowerStore: VMware vSphere Best Practices
- Dell PowerStore: Virtualization Integration
- All PowerStore Virtualization Guides on Infohub
ゲスト寄稿
Distinguished Engineer and Chief Architect Amitai Alkalay
Chief Data Path Architect Vamsi Vankamamidi
翻訳者:Ayas