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2024年7月17日 02:15

[Meet The Experts]APEXって何?第十二話  2024 夏

世の中もDell TechnologiesもAI祭りの今日この頃ですが、5月に開催されたDell Technologies World(DTW)ではAPEXの話があまりなかったような・・・

公開されている資料を見てもピンとこないので、やっぱりこの人に聞いてみました。

 

Expert:

平原氏:Mr.APEXという呼び名は実は間違い。彼は「Customer Centric Cloud and Containers」その名の通りクラウド・コンテナのエキスパート。しかし近頃のAPEXがクラウド、コンテナ方向に向かっているので、否が応でも登場回数が増える、というのが本当のところ。常にマーケットでの要求を察知して自分で試してみるのはエンジニアのお手本。






ユニバーサルストレージレイヤー



Ayas:Dell Technologies World 2024で大きなAPEX関連のニュースってなかったような気がしますが?

平原氏:確かに派手に発表、というものはなかったのが今年のDTWでした。しかし、ユニバーサルストレージレイヤーや、APEX NavigatorやAPEX AIOpsなどがカバーするCentralized Management (一元管理)という言葉が登場してきたことにより、APEXがマルチクラウドをより使いやすく、という方向性に変わってきていることが実感できた、という点は注目すべきだと思っています。

Ayas:ユニバーサルストレージレイヤーというのは何でしょうか。

平原氏:コンセプトは前と変わらず、昨年11月にもお話した([Meet The Experts]APEXって何?第十一話 Cloud Platforms)Ground to Cloudの事と考えて良いと思います。

これまでオンプレをベースに積み上げられた信頼性の高いDell Technologies製品を利用し、ソフトウェアディファインドでマルチクラウド環境上にブロック、ファイル、オブジェクトなどのユニバーサルなストレージのレイヤーを構築するということです。

そしてこのユニバーサルストレージレイヤーを用いてパブリッククラウド上でのストレージ問題の解決や、クラウド⇔クラウド、クラウド⇔オンプレでのデータモビリティを容易に実現していきます。

例えば、(場所を問わずに共通のストレージを準備することによって)ユニバーサルストレージレイヤーとともにマルチクラウド環境上に一貫性のあるアプリケーション実行環境を作っておけば、開発したアプリケーションを単にオンプレにも実行できるだけでなく、パブリッククラウドのPaaSと連携したアプリケーションでオンプレのデータを活用し易くなったりと、真のアプリケーションモビリティが実現可能となります。



そして、そのユニバーサルストレージレイヤーを使いやすくするために登場したのがAPEX Navigatorというコンソール(GUI)になります。つまりAWSやAzure、GCPなどのパブリッククラウド上へ当社ソフトウェアディファインドストレージを簡単にデプロイしたり、モニタリングやデータ移動管理などのCentralized Management(一元管理)を可能にするものです。

また今年のDTWでは、APEX NavigatorにKubernetesに関連したサービスもアナウンスされました。これはクラウド、オンプレに関わらずお客様環境内に存在するKubernetes環境をディスカバーし、そこにDell ストレージが利用されていれば、ストレージ用のCSIドライバをAPEX Navigatorを利用してインストールする等の集中管理をを可能とします。




Ayas:なるほど。ユニバーサルストレージレイヤーでマルチクラウドでのストレージを統一化して、APEX Navigatorというクラウド、ストレージ、コンテナなどのお作法が分かるフィクサーがそれらを一元管理する、ということですね。

平原氏:確かにそうですね。ここ最近のAPEXのメッセージングはサブスクリプションモデルだけでなくマルチクラウドにシフトしています。クラウドとオンプレを自由に、なおかつ一貫性のある環境を提供する、というものですからそれらを一元的に管理するための仕組みがあってこそ、になりますね。




APEX AI Ops

Ayas:Centralized Management(一元管理) のもう一つの要素であるAPEX AIOpsというのは?

平原氏:今まで話をしていたAPEX Navigatorはレイヤーで見ればあくまでもインフラ観点での管理の一元化(Centralized)でしたが、こちらは言ってみればシステム、サービス観点での管理の一元化(Centralized)です。

インフラのモニタリングだけにとどまらず、その上のアプリケーションも見る、というものになります。

しかも「見る」だけではなく、機械学習モデルや生成AIを駆使して、問題の傾向や、今までの履歴情報から問題解決に繋がる原因を類推し、場合によっては次のアクションに結び付く、より具体的な対応まで示してくれる、というサービスです。

APEX AIOpsは、実際には大きく分けて3つの要素からなります。

Infrastructure Observability:これまでのCloudIQによるDellのインフラ監視機能をAPEX AIOpsの一つとしてリブランド化

Application Obserbability:アプリケーションのディスカバーと関連性を検出して、アプリケーション性能問題などの分析を支援

Incident Management:Dell Technologiesが買収したMoogsoftというAIOpsベンダーの技術をベースに大量のアラートから真に対応が必要となるインシデントを表示し、また組織横断で関係する人がこれらのインシデントを共有する仕組みを提供

これら3つのサービスを活用することで、今までの監視ツールのように、出てきたアラートから経験則や手順書ベースで次の対応を考えるのではなく、そのアラートがシステム、サービスのどの範囲に影響を与えるのか、ひいてはビジネス全体へのインパクトなども的確に把握できるようになるわけです。

これからの時代、モダンなデジタルサービスを提供するには、インフラ管理者だけでなくITチーム、開発チーム、事業部門など、多くの人が絡んでくることを考慮に入れないといけません。問題が発生した場合に組織横断で共通認識を持ち、どの担当者が対応すべきなのかを早急に切り分けることも重要です。

また、問題が深刻化する前から事前に対応を打てればビジネス上の損失を回避することにも繋がります。

このAPEX AIOpsによって、これまでバラバラの手法でオペレーションしていた部門同士が同じ土俵で問題を確認できるというわけです。

また、これはインフラ基盤しか見てこなかった我々にとってはかなり上のレイヤまで考慮に入れているサービスになります。そういった意味で我々にとっても新しい領域であることは確かです。






基盤インフラ屋の挑戦



Uehara Y.:ストレージ関連などの基盤インフラ屋が今までにはない領域に足を踏み入れていこうとしているということですか?

平原氏:そうとも言えるかなと。現在、APEXだけでなくIT業界全体の動きがAI、クラウド、コンテナ云々で、一つの領域にとどまれない、つまり「基盤インフラ屋は基盤インフラ屋だけ」ですまない状況になっています。

その為に今までは見てこなかった技術領域にまで入り込む必要がある、ということです。

また、その結果として技術面のみならずお客様へのアプローチもこの領域では変えていかねばならないのでは、と最近感じています。

例えば今まで、我々ストレージ屋はまず箱を、しかもなるべく大きい箱をお客様に提供して満足してもらう、というアプローチ方法をとってきました。しかしこのAPEX AIOpsのようなサービスはまず使ってもらうのが最初。

最初からシステム全体で導入!ではなく、小さいところから試してもらい、環境にあえばもっと広げて使ってもらう、といった動きが必要になるなあと。クラウドと同じですね。Small Startという意味では。



Ayas:では基盤インフラ屋としてトップクラスともいえるDell TechnologiesはAPEXでその領域を広げざるをえなくなり、基盤インフラ屋ではなくなろうとしている?

平原氏:ハードウェアとそのラインナップに強みを持っている我々は、基本的には基盤インフラ屋、ということで変わらないでしょう。

しかしもっと積極的にクラウドベンダーとの共存の道を目指しているのだと思います。

クラウドでもオンプレでも行き来がしやすいように、しかもマーケットにはクラウドネイティブ的な感覚を持つお客様が増えてきている、そんな中でお客様に貢献できる基盤インフラ屋を目指し、対応する領域が広がってきているという感じなのだと思います。




基盤インフラ屋としての根っこを持ちつつ、新たな領域に踏み込むAPEX、挑戦はまだまだ止まらない! Ayas 














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