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IsilonianTech 第27回 PowerScale InsightIQ 5.0リリース!
いつもご覧頂きましてありがとうございます。2023年も残すところ僅かとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
いよいよこの日がやって来ました。そうInsightIQ 5.0のリリースです。(OneFS 9.7も同じタイミングでのリリースとなりました。)
色々と話すと長くなりそうなので割愛しますがInsightIQ 5.0はInsightIQの正式な後継製品です。今回は前置きは少なくして早速InsightIQ 5.0概要に入りたいと思います。
InsightIQ 5.0概要
InsightIQ 5.0ではPowerScaleクラスタ(以下クラスタ)の運用効率を高めるために幾つかの変更と新機能が実装されました。主なポイントとしましては、フロントエンド(ユーザインターフェース)が他のDell Technologiesの製品と統一したデザインとなりました。また、バックエンドはマイクロサービス(Kubernetes)ベースとなったことでスケールアウト構成が取れるようになりました。
新機能としましては各クラスタの性能ならびに容量のメトリックに対して閾値(KPI)ベースのアラートを設定することが可能となりました。また、新たにREST APIがサポートされたことによりデータのエクスポートが柔軟になるだけでなくCLIで不可能だった一部の操作も出来るようになりました。(iiq_data_exportコマンドは廃止となります。)
本ブログではInsightIQ 5.0のインストール方法については深く触れませんがOVA形式ならびにスクリプト形式での構築が可能です。OVA形式は1ノード(1インスタンス)構成となりvSphereの「OVF テンプレートのデプロイ」でインポートする際に「テンプレートのカスタマイズ」でパスワードやIPアドレスなどを入力する形となりました。install-iiq.shを用いたスクリプト形式の構築では今回新たに3ノード(仮想マシンもしくは物理マシン)に対して導入することが可能となりました。
InsightIQ 5.0でサポートされるノード数とクラスタ数は下記のとおりです。
展開方法 |
InsightIQノード数 |
サポートされるPowerScaleのノード数とクラスタ数 |
OVA |
Simple(1ノード) |
252ノードまたは10クラスタまで ※ InsightIQ 4.4と同じ |
スクリプト |
Scale(3ノード) |
504ノードまたは20クラスタまで |
ユーザインターフェースの刷新
InsightIQ 5.0では、ユーザインターフェイスが刷新されナビゲーションメニューが左側に配置されました。また、ダッシュボードで提供される各種サマリデータから画面遷移を行うことで、簡単なステップで多くの情報を得ることができます。
ダッシュボード
ダッシュボードに配置されている各セクションの概要は下記のとおりです。
[InsightIQ Status]…監視エラーや一時停止など監視対象クラスタの状態やInsightIQのデータストアの使用状況が表示されます。
[Alerts]…監視対象クラスタの過去24時間のアラートデータが、緊急(Emergency)、重要(Critical)、警告(Warinig)のタイプ別ならびに生成されたアラート数の上位3つのクラスタが表示されます。
[Aggregated Capacity For Monitored Clusters]…監視対象クラスタの使用済み容量と空き容量(Raw)が表示されます。
[Monitored Clusters by % Used Capacity]…各クラスタの使用済み容量、空き容量(Raw)、推定使用可能容量およびデータ削減比率が表示されます。
[Performance Overview]…プロトコルのレイテンシとオペレーション数、ネットワークのスループット、CPU使用率、アクティブクライアントおよびジョブ数が表示されます。
パフォーマンスレポート
監視対象クラスタの性能に関する情報を提供します。CPU使用率、アクティブクライアント、ネットワークスループットなどを確認することにより、クラスタが期待どおりに動作しているか判断したり性能問題の原因を特定するのに役立ちます。(下記、お馴染みのグラフのスクリーンショットを撮りました。)
ファイルシステムレポート
監視対象クラスタのファイルシステムに関する情報を提供します。使用済み容量や推定使用可能容量、ファイル分布やデータ削減(圧縮ならびに重複排除)、クォータの状況などを確認することにより、期待どおりに容量消費されているかや、容量予測のグラフなどからノード増設のタイミングを判断するのに役立ちます。(下記、お馴染みのグラフのスクリーンショットを撮りました。)
アラート
InsightIQ 5.0は、クラスタで発生した様々な問題をアラート画面(ナビゲーションメニューの[View Alerts])で確認することが出来るようになりました。アラートは重大度ごとに集計され期間やクラスタを指定してフィルタリングが可能で、アラートID、アラートが発生した日時、重大度、アラートの説明およびアラートが発生したクラスタなど各アラートの詳細を確認することができます。
アラートの発行にはアラートポリシを作成する必要があります。アラートポリシでは事前定義済みのKPIに対して予め閾値を設定しておき閾値を超えた場合にアラート(と同時に電子メール)を発行することができます。
アラートポリシの作成
アラートを発行するためのアラートポリシを作成します。アラートポリシでは、アラートルール、通知ルールを定義しアラートを受信するクラスタを選択します。アラート機能を有効にするには少なくとも1つのアラートポリシが必要です。
実際に運用される際は先にアラートルールや通知ルールを作成しておくのが良いと思いますが、アラートルールや通知ルールはアラートポリシのウィザード中でも作成できますので、今回はいきなりアラートポリシを作成します。
アラートポリシを作成するにはナビゲーションメニューの[Manage Alerts]から[Alert Policies]のタブを表示し"Create Alert Policy"を選択します。下記スクリーンショットのようにウィザードが表示されますので定義するポリシ名と説明を入力して"Next"を選択します。
次に、"Create Alert Rule"を選択してアラートルールを作成します。今回はCPU使用率(CPU Usage)が90%以上の場合は重要度(Severity)が重要(Critical)としてトリガされるように設定します。"Create Alert Rule"を選択しKPI に"CPU Usage"、Severityに"Critical"、Thresholdに"90"を入力し"Save"を選択します。
KPIは14個の事前定義済みKPIから選択可能です。(Protocol latency SMB、Protocol latency NFS、Active Clients NFS、Active Clients SMB 1、Active Clients SMB 2、Connected Clients NFS、Connected Clients SMB、Pending Disk Operations Count、CPU usage 、Cluster capacity、Nodepool capacity、Drive capacity、Node capacity、Network throughput equivalency)
続いて、対象とするクラスタを選択します。今回は"coffee"クラスタを選択して"Next"を選択します。
最後に、"Create Notification Rule"を選択して通知ルールを作成します。ここでは重大度によって誰に電子メールを送るかを設定します。(複数指定可)今回は、重大度問わず全てのアラート(All Severity)をyasui@coffee.local宛にメール送信ように指定します。
[Review]が表示されますので正しく設定されているか確認して"Save"をクリックします。下記のとおりアラートポリシが作成されました。
以上、簡単ではございますがPowerScale InsightIQ 5.0のご紹介となります。
さいごに
本年も大変お世話になりました。先日のプレスリリースのとおり2024年も色々な盛りだくさんな1年になりそうです。
参考情報
PowerScale InsightIQ - Info Hub
バックナンバー
IsilonianTech 第18回 PowerScaleとサイバーセキュリティ ~Ransomware Defender編~
IsilonianTech 第19回 PowerScaleとサイバーセキュリティ ~CAVA編~
IsilonianTech 第20回 DR Manager for PowerScale
IsilonianTech 第21回 Easy Auditor for PowerScale
IsilonianTech 第22回 Performance Auditor for PowerScale
IsilonianTech 第23回 Golden Copy for PowerScale
IsilonianTech 第24回 Search & Recover for PowerScale
IsilonianTech 第25回 PowerScaleとサイバーセキュリティ ~Flowmon ADS + Zero Trust API編~
IsilonianTech 第26回 PowerScaleとサイバーセキュリティ ~Cyber Recovery Manager~
安井 謙治
Dell Technologies│Unstructured Data Solutions
デル・テクノロジーズ株式会社 UDS事業本部 SE部