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【Coffee Break】PMEM? SCM? 用語を整理してみた
この投稿は「ちょっとしたストレージ関連技術のTIPSを思いついたら書いてみる」というコンセプトで、デル・テクノロジーズ社内のTeamsグループ/チームでゆる~く運営されている「Coffee Break」からの情報抜粋です。今回の投稿はメインはDBスペシャリスト(のはず)、でもSCM系を含むテクノロジー全般に詳しい社員からのものです。
PowerMax の新しいモデルがでてきました。
ドキュメントを見ていると、PMEMとかSCMとか略語がたくさん出てきます。
表記ゆれというか、文脈によって呼び名がちょっと変わるというか、今後そういう場面に出くわすかもしれません。
そのため、この辺の用語をきちんと理解しておくべきと思い、まとめてみました。
SCM:Storage Class Memoryという言葉が登場したのは、2008年に発表されたIBMの論文です。これは、回転するHDDを将来的には不揮発メモリで置き換えられるかも?という2020年までの予想を語るような内容でした。
2022年の現在、これはほとんどSSD(ここでは NAND FlashのSSD)で実現できています。それを踏まえた上で、SCMとはなんぞや?と言われると、業界的にはDRAMとNAND Flashの中間に位置する性質を持つものと、という感じではないでしょうか? 一言で言えばSCM=(NAND Flashより)速くて不揮発なメモリ素子 ということです。
基本的にNAND Flashではないので、全く別な材料を使って、別な物理メカニズムでデータを記憶します。その実装方式は研究室レベルではいろいろありますが、今すぐ買ってきて使えるものと言う意味だと、ほぼIntel の3D XPoint 一択になるかと思います。製品としては Optane というブランド名がついています。
3D XPointを使ったSCMは、NAND Flashよりも書き換え耐数が高く、高速と言われています。当初はSSDの形で製品化されました。SCMを使ったNVMe SSD、いわゆる「SCMドライブ」の登場です。
その後 DIMMの形としても製品化されました。これがいわゆるPMEM(パーシステントメモリ。不揮発メモリ)です。速さではDRAMに劣るものの、電源が消失してもデータが消えないため、ストレージコントローラ上でメタデータを保管する領域などに利用され始めています。
SCMと言った場合、メモリ素子そのものを呼ぶ場合もあれば、SCMドライブを単にSCMと呼んだりすることもあるかと思います。この辺は文脈で変わってきますが、誤解を招かないようにしたいものです。さらに、SCMの素子を使ったDIMM=PMEM などもでてきますし、DRAM+NAND Flash+Battery(あるいは電源)を使ったNVDIMM-Nと混同されることもあるかもしれません。
この辺、私の理解をまとめた絵を描いてみましたので参考まで・・・