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【Coffee Break】Clustered VMDKってご存じですか?
この投稿は「ちょっとしたストレージ関連技術のTIPSを思いついたら書いてみる」というコンセプトで、デル・テクノロジーズ社内のTeamsグループ/チームでゆる~く運営されている「Coffee Break」からの情報抜粋です。今回はプリセールスチームのManagerからの投稿です。
約2年前にリリースされたvSphere 7.0で追加された機能のため全然真新しい話ではないのですが、周りの方とお話している中で意外とご存じないケースが何度かあったので、小ネタとして投稿します。
Clustered VMDKは、Microsoft Windows Server Failover Cluster(WSFC)のようなクラスターアプリケーションを利用する際、サーバー間で共有されるストレージ領域は複数サーバーからの書き込み制御が行えるようSCSI-3 Persistent Reservation(SCSI-3 PR)をサポートしていなければなりませんが、vSphere環境においてその共有ストレージ領域に仮想ディスク(VMDK)を利用できるようにしました というvSphere 7.0からの新機能になります。
これまでクラスターアプリケーションの共有ストレージ領域にはRaw Device Mapping(RDM)を利用するのが王道(?)だったかと思いますが、もうその必要がなくなってきてますということになります。
「いやいやいやいや、別にこれまで通りRDMでいいじゃん」と思われるかもしれませんが、はい、それに対して特に反論はありません。
ただ、将来的なデータの移行性等の観点でもうRDMを利用したくない場合やRDMを利用できないケース(例: NVMe over Fabric接続ストレージでは実はRDMがサポートされていなかったりします(*))、または、外付けストレージなし、つまりVxRailやvSAN Ready NodeのようなHCI構成を検討している場合など、今後RDMが利用できないシチュエーションは増えてくると思います。(もう既に少ないかもしれませんが)
そういったケースにおいてはClustered VMDKは有効なソリューションになります。
(*)こちらVMwareドキュメント参照 (※残念ながらNVMe-oFでは現状Clustered VMDKもサポートされていないのですが…。)
Clustered VMDKを利用するにはvSphere 7.0以上、VMFSの場合はVMFSバージョン6が必要などいくつかの要件や制約がありますが(要件・制約などはこちらVMware KBが分かりやすいです)、ただそれら要件を満たしていればOKという訳ではなく、ストレージ側もこの機能に対応・認定されていなければなりません。
ではどこでストレージの本機能に対するコンパチビリティを確認するかと言いますと、皆様が普段ご覧になられているであろうVMwareのCompatibility Guideです。ちゃんとClustered VMDKという機能カテゴリがあるんです。
Storage/SANのCompatibility Guideにて機能カテゴリ=VMDK Clusteringもしくは機能=Clustered VMDKにて検索するとClustered VMDKに対応したストレージがリストされ、対応しているストレージOSバージョンや接続構成が確認できます。
<とあるストレージ製品の例>
PowerMax/VMAX, PowerStore, Unityといったデル・テクノロジーズの主力ストレージ製品は一通りClustered VMDK対応してますが、残念ながら私が担当しているPowerFlexは対応していません。
ただ、Clustered VMDKは外部ストレージ/VMFSのみに対する機能ではなくvSANも対応していますので、VxRail環境でも利用することができます!
(↑実はこれが言いたかったがための投稿だったりします(笑))
対応ストレージ構成については最初の方に記載したVMware KBをご参照ください。