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【Coffee Break】便利になったvMotion - 旧仮想化基盤からのVxRailへの移行が簡単に!
この投稿は「ちょっとしたストレージ関連技術のTIPSを思いついたら書いてみる」というコンセプトで、デル・テクノロジーズ社内のTeamsグループ/チームでゆる~く運営されている「Coffee Break」からの情報抜粋です。今回はDellストレージコミュニティでも有名な(?)元VxRailサポートチームのメンバーからの投稿です。
VMware仮想環境の移行は難しい?
仮想化基盤の更改にかかわる提案や案件のさなか、どうやって新環境に仮想マシンを移行するかで頭を悩ませた方は少なくはないかと思います。
特にVxRailへの移行を考えた場合、VxRailの良さを最大限に活かす構成(= Internal vCenter)を選択すると、どうしても移行の難易度が高くなりがちでした。
しかし、昨今のvSphere(VxRail)であれば、その難易度が大きく低下していることにお気づきでしょうか?
悩ましい二択
なぜInternal vCenter 構成で以降の難易度が高くなるのかについての細かい話は割愛しますが、端的に要点をお伝えすると、旧環境と新環境(VxRail)のvCenter間で仮想マシンの移行を GUI から簡単に実施することができないことが問題でした。
いわゆるCross vCenter vMotion と呼ばれるこの操作は、VxRailでExternal vCenter 構成を利用した場合は、GUIから実施することも可能でしたが、その場合は VxRailの良さである一元サポートや LCM のメリットが減少してしまいます。
そのため、Internal vCenter を選択した場合は以下の二択を選択する必要がありました。
- CLIや非公式ツールを利用したCross vCenter vMotion で Online での移行を試みる(高難易度)
- StorageやReplicationの機能を利用したOfflineの移行を試みる(低難易度)
つまり、Onlineにこだわって作業でリスクをとるのか、Offlineに妥協して作業で安全を取るのか、という二択です。
待望の機能追加!
しかし、vSphere7U1c (VxRail 7.0.130)からついに第3の選択肢が生まれました。
- GUIで簡単にOnlineでCross vCenter vMotion しちゃう
これが今回ご紹介する、便利になったvMotion = Advanced Cross vCenter vMotion です。
(1年以上前からあるじゃん!というツッコミは置いておいて)
この新機能の以下の観点で非常に便利になりました。
- GUIから簡単に実施できるようになった(ユーザでも容易に実施可能)
- Versionや構成などの制限が緩くなった(新旧でVersionに差異があっても利用可能)
さらに、vSphere 7U3 (VxRail7.0.300 )より、Advanced Cross vCenter vMotionに Clone 機能が追加されました。これにより、本番の移行作業の前にClone作成で事前にテストする、といったことも容易になってます。
うっかりしやすいポイント(制限・要件)もおさらい
非常に便利になりましたが、Cross vCenter vMotion に起因する制限や要件は存在しておりますので代表的なものをいくつかご紹介します
- CPUの機能互換性確認(EVCを設定することでWorkAround可能な場合もあるが、AMD->IntelのvMotionは無理。Offlineなら可能)
- 新旧双方でEnterprise Plusライセンス必須(評価版でもOKかどうかは、VMwareに相談)
- 旧環境がvSphere6.5(VxRail 4.5)以上であること。(vSphere6.0の場合は非サポート)
- Cold MigrationとvMotionは利用ネットワークが異なる(低帯域になってしまって業務開始に間に合わない、なんてトラブルも。。)
まとめ
vSphereの新機能によって、VxRail の魅力を最大限活かしたまま、容易かつ安全に移行できるようになりました。
要件も緩和され、新環境のVersionが新しければ、既存環境に変更(Upgradeなど)せずに移行することも不可能ではなくなりました。