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⑤VxRail 8へのバージョンアップグレードのコツとヒント!
*こちらの記事は2023年1月に開催された[Ask The Expert]VxRail v8.0リリースのすべて!からの内容になります。
VxRail 8へのバージョンアップグレードのコツとヒント!
Ask the Expert "VxRail v8.0リリースのすべて!" もう5日目です!
一週目は新しい機能についての説明が盛りだくさんでしたので、本日は少し軽めな内容にしたいと思います。
VxRail 8(vSphere8/vSAN8)は2年ぶりのメジャーバージョンリリースになりますので、バージョンアップグレード作業についてご心配をされている方も少なからずいらっしゃるかと思います。
安心してください!
バージョンアップグレードといえばVxRailの恩恵を最も感じられるイベントであり、それは今回のVxRail 8へのアップグレードでも同様です。
アップグレードに必要な準備
まずは準備段階のご説明です。
長年VxRailをご愛顧いただき、VxRail 4.xの時代からご利用いただいているお客様にとっては見知った内容も多いかと思います。
①VxRail 8.0.000 へバージョンアップ可能な既存バージョンを確認しましょう
VxRail 8.0.000へバージョンアップ可能な既存のバージョンについては、リリースノートからご確認頂けます。
リンク先のページをご覧いただければわかる通り、VxRail 4.7/7.0のほぼすべてのバージョンからVxRail 8.0.000にアップグレードすることができます。
唯一の例外として、VxRail 7.xの最新バージョンである 7.0.410からはアップグレードができないため、その場合は将来の8.xリリースを待つ必要があります。
また、現時点ではインターネットアップグレードには対応しておりませんので、ローカルアップグレードにて実施する必要があります。
とはいえ、ほとんどのお客様は普段からローカルアップグレードで実施されていますので、その点は特に影響はないかと思います。
もし、直接アップグレードに対応していない VxRail 4.5.xをご利用中の場合でも、多段アップグレードをすることでVxRail 8.0.000にアップグレードすることが可能です。
②VxRail 8.0.000 に対応したハードウェアモデルを確認しよう
初日の投稿でも触れていますが、VxRail 8に対応したハードウェアモデルは14世代PowerEdge以降のVxRailモデルとなっています。
具体的には以下のモデルは未対応です。
・Quanta ハードウェアモデル(VxRail 60~280およびG410。すでにサポート終了)
・13世代PowerEdgeモデル(VxRail E460/F, P470/F, S470, V470)
15世代のPowerEdgeモデルを利用するVxRailハードウェアはすべてVxRail 8に対応していますが、
14世代のPowerEdgeモデルを利用している場合のみ追加の注意事項があります。
14世代PowerEdgeモデルのVxRailはTPMと呼ばれる内部パーツとしてTPM1.2とTPM2.0の2つのパターンが存在します。
残念ながらTPM1.2はVxRail 8に対応しておりませんが、TPM1.2をBIOS画面で無効化することによりアップグレードが可能となります。
③アップグレードパッケージファイルをダウンロードしよう
VxRailのアップグレードパッケージファイルはサポートサイトからダウンロードできます。
最近のVxRailは様々なお客様要件や環境に対応するために複数のパッケージファイルを提供しています。以下の表に従って必要なファイルをダウンロードしてください。
④ライセンスの準備
VxRail 8にバージョンアップするためには、ライセンスもバージョンアップする必要があります。
今回のvSphereのメジャーバージョンリリースによってライセンスのバージョンも変わるため、既存のVxRailで利用していたライセンスをそのままVxRail 8で利用することはできません。
しかし、 VxRail 8 (vSphere 8)にバージョンアップした直後は60日間の評価ライセンスが有効になります。そのため、仮にライセンスを準備できていなかったとしても即座に問題が発生するわけではありませんのでご安心下さい。
今回のVxRail 8へのバージョンアップに関連して、vSphere、vSAN、vCenterの3つ のライセンスで対応が必要です。
VxRail環境のvSphere(ESXi)のライセンスについては、お客様にて管理されているものとなりますので、VMware Customer Connect にお客様のアカウントでログインしてライセンスをバージョンアップして下さい。そして、新しいライセンスキーをVxRailへ再適用する必要があります。
vSANライセンスについては、VxRailのEmbedded License(VxRail 4.5.x以前)と、OEMライセンス(VxRail 4.7.x以降)によって対応が異なります。
VxRail 4.5以前に導入し、Embedded Licenseの場合は、VxRailのUpgradeの際に自動でライセンスが書き換わりますので、ライセンス関連の事前準備や当日の作業は不要となります。
VxRail 4.7以降で導入し、OEMライセンス利用の場合は、ライセンスはお客様管理となりますので、VMware Customer ConnectからvSANライセンスをバージョンアップして頂き、VxRailに適用する必要があります。
vCenterライセンスに関しては、内部 vCenterを利用されている場合は、Embedded Licenseとなりますので事前準備や当日のライセンス関連作業は不要です。
外部vCenter構成の場合は、vCenterそのもののバージョンアップおよびライセンス管理はお客様にて実施頂く作業となります。
まとめると以下のようになります。
⑤その他の関連ソリューションやコンポーネントとの互換性を確認
vSphere7 リリースの時もそうでしたが、初期リリースにおいては既存で利用中のソリューションが対応していない場合があります。
VxRail環境でよくつかわれているけれども、現時点(2023/01/20)で vSphere8 未対応となっている代表的なコンポーネントやソリューションは以下です。
・GPU
・RP4VM
・CloudLink
・NSX-V
その他、VxRailと関連して利用しているサードパーティソリューションがある場合は提供元にvSphere8/vSAN8との互換性をご確認ください。
⑥手順書を生成しよう
Dell製品の多くは運用で必要となる手順をSolveOnlineという手順書生成サイトにて提供しております。
※利用に際しサポートアカウントの登録が必要となります
SolveOnlineにログインできましたら、VxRail Applianceを選択いただき、下図のように VxRail Procedure -> Upgrade -> Software Upgrade Proceduresを選択いただきます。
その後はお使いの環境に合わせて対話式に選択肢を選んでいくだけで簡単に手順書を生成できます。
※手順書の生成過程で既知の不具合等についてのメッセージ確認をする必要がありますので必ずお目通しください。
いつもと違う手順に注意!
あとは手順書通りに進めてアップグレードをするだけです。
細かいバージョンアップグレード手順の割愛させていただきますが、進めていく中でいつもと違う手順が存在していることにお気づきになると思います。
① vCenterをアップグレードしよう!(外部vCenter構成のみ)
外部vCenterサーバは先にアップグレードをしておく必要があります。
外部vCenterを先にvCener8にアップグレードした場合、KB#000182936の対応が必要になりますが、こちらはパートナー以上の限定公開となっているため、
テクニカルサポートまでご連絡をお願いいたします。
※内部vCenterの場合は事前のアップグレードは不要です
② Temporary IPの入力(内部vCenter構成のみ)
手順中の以下の入力項目のことです。
Temporary IP は、vCenter Serverのメジャーアップグレードのたびに必要となる入力項目です。
vCenter Serverのマイナーアップグレード(アップデート)の場合は、ISOファイルをマウントしてソフトウェアパッケージを更新する流れなのですが、メジャーアップグレードの場合は新規にvCenter Server VMを作成し、既存のvCenter Serverからデータマイグレーションをする形になります。
その際に、旧vCenterから新vCenterにTCP/IPでデータ送信が必要となるため、一時的に割り当てるIPアドレスをここで指定する必要があります。(同サブネット必須)
ちなみにですが、VxRail ManagerもVxRail 8へのアップグレードの際に同じように新規VMを作成してデータマイグレーションをしていますが、Temporary IPは利用しません。
どのようにデータをコピーしているのかはまたの機会でのご説明ということで今回は割愛させていただきますが、よりシンプルにアップグレードができるという点が素晴らしいですね!
③ vCenter management account username/passwordの入力
上図のTemporary IPの下に、vCenter management accountについての入力項目があります。
この入力項目は過去のVxRail アップグレード手順に登場したことがなく、今回限りの留意事項となります。
ここで指示しているvCenter management accountとというのは、VxRail Managerが内部的な処理で利用するためのアカウントで、初期構築時のパラメータとして指定します。
そんなアカウントに覚えがない!、というお客様も多いかもしれませんが、普段はご利用しないアカウントなのでそれが普通です(笑)。
導入時にご記入いただいたパラメータシートに必ず記載がありますので見返していただければ確認できます。
内部vCenter構成の場合はvCenter ServerのOSユーザとして作成されるため、@localosドメインに作成されています。
一方で外部vCenter構成の場合は、@localosドメインに限らず、お客様にドメイン(@vsphere.localなど)で作成されているはずです。
実は、vSphere 8において、内部vCenter構成で利用されている@localosドメインが将来的に廃止になることアナウンスされました。
そのため、廃止にされる前に先に@localosドメインから別のドメインのアカウントに変更する必要があるため、新しいアカウントのユーザ@ドメイン名とパスワードの入力をこのタイミングで求められています。(例:vxrailmgmt@vsphere.localなど)
外部vCenterの場合は@localosを利用しているとは限りませんので、既存で@localos ドメイン以外を利用している場合は入力は不要です。
まとめると以下です。
アップグレードはデル・テクノロジーズにお任せ!
「VxRailのアップグレードは普通のvSphereクラスタやvSAN Ready Nodeと比べると簡単かもしれないけど、不慣れな人には十分難しい」、というのがお客様の本音かと思います(手順書も英語ですし)。
VxRailのアップグレードの魅力は、自動化によって簡単に実施できるというだけではありません。なんと、お客様に代わってデル・テクノロジーズの専任エンジニアがリモートアップグレードを実施するサービスがあります。
このサービスは通常の保守契約に付帯しており、回数制限なく完全無償で提供されています。
現在VxRail 4.5.xや4.7.xを利用していて既にソフトウェア標準サポート期間が終了してしまった、、、というお客様もご安心ください!ソフトウェア標準サポート終了後も保守契約が有効である限り、同サービスを無償でご利用いただけますので、このタイミングでぜひともアップグレードをご検討ください。
VxRail アップグレードの魅力
2016年にVxRailがリリースされてから今年で7年目となります。
技術の進化や時代の移り変わりとともに、VxRailも様々な変化を経験してきましたが、
VxRailアップグレード機能とサービスの魅力は色褪せることなく、さらなる進化を続けています。